国内線の定期便を運航しているスカイマーク(Skymark Airlines)。2015年1月に経営破綻して上場廃止になり、2022年12月に東証グロースに再上場したスカイマーク。資金繰りの悪化で一度破綻したものの、再び、黒字化して再上場したものの、コロナ禍から続く厳しい経営状況で赤字がつづいている。今後のスカイマークの業績と株価の行方は?
■基本情報(2025年8月12日時点)
- 株価:502円(10年来高値:1,545円)
- 時価総額:303億円
- 予想PER:25.1倍
- PBR:1.11倍
- 予想配当利回り:1.59%
- 自己資本比率:22.3%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:33,873人(2025年3月31日時点)
- 事業価値:107億円
■スカイマークの業績は?
スカイマークの2026年3月期の第一四半期の売上高は236億円(前年比+0.2%増)、営業利益△16.3億円(前年同期は△21.8億円の赤字)と増収赤字継続となった。スカイマークの売上総利益率は+0.6%(前年同期はマイナス)と非常に低い。
スカイマークは装置事業と言える特殊な利益構造で、総座席数に対して座席利用率を高めて、航空運賃の単価をいかに上げるかが利益構造の大きな点。
コロナ禍では座席利用率が36%まで下落し、現在は70~80%で推移している。かならず満席で飛行機を飛ばす必要はないものの、フライトあたりの粗利を最大化できるようなオペレーションが求められる。
■スカイマークの事業内容は?
スカイマークは1998年9月から運航を開始した航空運送業をしている企業であり、2015年1月に民事再生法を申請し、経営破綻をしている。そのときに東証から上場廃止になった。経営再建を果たして、2022年12月に東証グロースに再上場した企業。
スカイマークは国内線を専門とする航空会社で、現在は29機を運航している。新たに20機のボーイングのリースを決めており、2027年には33機と+4機になる予定。普通に考えると、+4機となるため売上高は大きく上昇することが予想される。また、国際チャーター便を計画しており、2025年10月に神戸ー台北間で7往復14便が計画されている。
■航空会社のビジネスモデルは?
スカイマークは夏(7~9月)の事業収益(売上高)が最も高く、300億円規模を想定している。いっぽう、2025年8月12日公表の決算説明資料をみると、1Q(4~6月)がもっとも売上高が低い。
直近のKPIをみると、機材数は前年と同じ29機、運航便数は1.4万便と前年と変わらず。有償旅客数は前年の199万人→186万人と△13万人の減少となり△6.9%減少。いっぽう、単価は1.1万円→1.2万円と+7.5%の上昇となった。
スカイマークの業績は、為替と原油価格に大きく左右される。1Qの決算では燃料費の為替レートは146.2円(現在は、148円)、原油価格 USD70.9/バレル(現在はUSD 66.6/バレル)となっており、為替は不利であるものの、原油価格は下落(プラス方向)となっている。
■スカイマークの株価推移は?
スカイマークの時価総額は約300億円。航空会社は為替と原油価格に業績が大きく作用されるのが悩ましいところ。2022年12月に再上場したスカイマークは上場時に約160億円を市場から調達している。上場時の初値は1,272円で現在の倍以上の株価となっている。つまり、上場時に購入した投資家は皆さん損している計算になる。
今後のスカイマークの業績はどうなるのか?為替と原油価格次第ではあるが、波に乗れば営業利益100億円を出すことは十分可能。その時に、予想PERを10倍で計算すると、時価総額は800億円~1,000億円くらいは十分狙える位置にはいる。いっぽう、為替と原油価格次第では、時価総額が200億円を割れる可能性も考慮が必要だ。

以 上