過去最高益で株価下落のロコンド、ユーチューバーの活用の行方は?

 靴の通信販売(ECサイト)を中心にインターネットモール事業を展開しているロコンド(LOCONDO)。2021年4月14日に発表した2021年2月期の決算は売上高・営業利益ともに過去最高となった。しかしながら、翌日の4月15日の株価はストップ安となり、個人投資家を中心に失望売りとなった。ロコンドが失望された要因は、2022年2月期の成長鈍化と2021年2月期の期待値未達が大きい。ロコンドの株価と業績はどうなるのか?

靴のECサイトを展開するロコンド、YouTuberと連携してコラボ企画も展開!(2021年1月23日投稿)

■基本情報(2021年4月16日時点)

  • 株価:1,903円(10年来高値:4,180円)
  • 時価総額:219億円
  • 予想PER:38.1倍
  • PBR:4.95倍
  • 予想配当利回り:0.52%
  • 自己資本比率:62.3%
  • 会計基準:日本基準

■ロコンドの業績は?

 ロコンドの2021年2月期の売上高は103億円(前年比+19.8%増)、営業利益14.4億円(前年は△0.8億円の赤字)と増収・営業黒字転換となった。ロコンドの売上総利益率は+75%、営業利益率+14%。ロコンドはクラウドITサービスとは異なるものの、高い売上総利益率のため売上規模が一定を超えると爆発的に利益が出るビジネスモデルとなっている。

 売上高自体は前年比+19.8%となったものの、商品取扱高(返品後)は前年比+12.7%。YouTuberのヒカル、宮迫などと協業したD2C(Direct to Consumer)事業のおかげで、直販比率が高まり、売上高の成長率が(商品取扱高以上に)高まった。

 今回の決算でもともとは営業利益30億円を高い目標として持っていて、保守的な目標として営業利益15億円をかかげていた。2021年2月期はYouTuberとのコラボレーション企画により、個人投資家の期待も高まっているなか、結果として営業利益15億円を未達になったことが個人投資家の失望となった。

■ロコンドの取扱高推移は?

 ロコンドの2021年2月期の商品取扱高は206億円(前年比+12.7%増)。2022年2月期は250億円(前年比+22%増)を計画している。D2Cブランドが好調だった2021年2月期の伸びが約13%のため、2022年2月期の前年比+22%増はかなりチャレンジングな目標となっている。

■心配される2022年2月期の計画!?

 ロコンドの2022年2月期の目標は営業利益8.5~15億円。心配されているのは、2021年2月期4Qの営業利益が3億円しかなかったこと。単純に成長ゼロベースで考えると年間営業利益は12億円。さらに、ロコポート3(倉庫)の部分稼働で固定費2.1億円の増加など固定費増の影響が発生する。さらに2023年2月期にはロコポート3(倉庫)の全稼働により4~5億円の固定費増になると明記されている。

 2021年2月期の2Q~3QはYouTuberヒカルをはじめとしたRezardブランドが大ヒット。いっぽう、2022年2月期にはその特需が抜け落ちる可能性が高いこともあり、個人投資家には不安感がただよっていることが今回のストップ安につながった。

■ロコンドの株価の行方は?

 ロコンドの時価総額は約200億円。成長性や収益性を考えると割高感はまったくない。競合サイトのZOZOTOWNとくらべてもロコンドのECサイトはそれほど差異はない。ZOZOとの違いは、参入時期の違いなどによるリピーター数や知名度の差。その差を埋めることは簡単なことではない。価格的にもロコンドとZOZOの差異は感じない。

 株価チャート的にロコンド株は下落トレンドとなっており、当面は株価上昇への抵抗が強い状況がつづく。ここ半年でロコンド株を買った人はほぼ含み損になっている。しかも、この期間の出来高はかなり多い。2022年2月期はYouTuberのD2Cブランドへの過度な期待は欠落し、自然体ベースでどこまで商品取扱高を伸ばせるかにかかっている。

 ロコンドに言えることは、どこまで商品取扱高を伸ばせるか次第。商品取扱高が400億円くらいになれば、営業利益は30~40億円くらいは間違いなくでるはずだ。そうなったときには時価総額は1,000億円を達成している可能性はゼロではない。

(画像4)ロコンドの株価推移

以 上

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