恋愛マッチングアプリ「Omiai」のネットマーケティング(6175)、今後の成長は?

 恋活・婚活マッチングアプリ「Omiai」を展開するネットマーケティング。売上高は前年比+10%以上のペースで増加しているインターネット企業。ひと昔前は、インターネット上の男女の出会い仲介サイトは「出会い系」と呼ばれ、イメージはよくなかったものの、最近ではインターネットを通じた男女の出会いが一般的になっている。ネットマーケティングの今後の成長はどうなるのか?

■基本情報(2020年6月5日時点)

  • 株価:631円
  • 時価総額:93億円
  • 予想PER:16.5倍
  • PBR:3.5倍
  • 予想配当利回り:0.95倍

■「Omiai」よりも成果報酬型の広告がメイン!

 ネットマーケティングといえば、恋活・婚活マッチングアプリの「Omiai」を展開している企業のイメージが強い。しかしながら、ネットマーケティングの売上高内訳を見ると、売上高の7割は広告事業で、残り3割が「Omiai」などのメディア事業だ。セグメント利益を見ても、約75%の利益は広告事業が稼いでいる。

 ネットマーケティングの広告事業は、成果報酬型と言われるアフィリエイト広告の仲介を展開している。ネットマーケティングの決算説明資料をみると、広告事業の説明はほとんどなく、同社がイチ押ししている「Omiai」の話題ばかり。そのため、広告事業の具体的な内容がわからず、個人投資家としては銘柄選択しにくいのが実情だ。

■力を入れるマッチングアプリ「Omiai」の状況は?

 恋活・婚活を仲介する「Omiai」の売上高は約40億円。インターネット上のさまざまなところで「Omiai」の広告をみることを考えると、思ったよりも売上高は低い。「Omiai」は2019年12月時点で累計会員数500万人を達成。2020年2月20日にはリブランディング発表会を開催し、タレントの「のん」を起用。

 ネットマーケティングとしては成果報酬型広告の広告事業では他社との差別化を図ることが難しいと判断し、「Omiai」事業を全力で育成し、会社のメイン事業に育てたいという意気込みが感じられる。しかしながら、四半期ごとの売上高をみると、「Omiai」の売上高は2020年6月期の第一四半期を天井に下落傾向が続いている。新型コロナウイルスの影響と割り切れるかどうか、今後の売上動向の確認が必要だ。

■はたして「Omiai」は成功するのか?

 個人的には「Omiai」が継続的に成長するのは難しいとみている。その理由は、インターネット上のマッチングアプリ等は競争がはげしく、新しいサービスが次々と出てくるからだ。たとえば、上場企業だけでも、婚活仲介でいえばIBJ(6071)、パートナーエージェント(6181)、イベントを仲介するリンクバル(6046)などとの競合があげられる。

 これらの企業が新たなサービスを打ち出すことは当然考えられるし、新しいベンチャー企業が画期的な新規サービスを展開することは当然起こりうる。男女の出会いをテーマとしたサービスは競争がはげしく、独占的なポジションを取ることはむずかしい。

■ネットマーケティングの株価推移は?

 ネットマーケティングの株価推移をみると、大きなボックス圏のなかで動いている。ネットマーケティングは今のところ堅調に成長しているものの、インターネット企業としては営業利益率が3%~5%前後と低い。いっぽうで、時価総額は90億円前後と高騰していないため、新しいサプライズ次第で株価の急騰も考えられる。

以 上

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