新電力のアースインフィニティ、市場連動価格の導入で業績回復狙う!

 2016年4月から一般家庭向けの電力自由化がスタートして、さまざまな企業が新電力として事業参入。アースインフィニティ(Earth Infinity)も参入した企業の1つ。JEPXの価格高騰で多くの新電力が撤退・倒産するなか、予想ほど赤字を出さずに危機を乗り切ったアースインフィニティ。今後の事業の行方は?

■基本情報(2022年9月16日時点)

  • 株価:1,657円(10年来高値:10,710円)
  • 時価総額:51億円
  • 予想PER:32.9倍
  • PBR:10.7倍
  • 予想配当利回り:0.9%
  • 自己資本比率:21.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,057人(2021年7月31日時点)

■アースインフィニティの業績は?

 アースインフィニティの2022年7月期の売上高は45.8億円(前年比+22.1%増)、営業損益は△4.2億円(前年は+1.8億円)と増収赤字転落となった。アースインフィニティの売上総利益率は+6.4%(前年は+22.7%)と大きく下落。JEPXをはじめとした電気価格が大幅に上昇した結果、その上昇分の多くをアースインフィニティが負担する形となったからだ。

 アースインフィニティは逆ザヤ(売値と仕入単価の逆転)の改善のため、新たに市場連動価格の導入を発表している。今期の業績予想は売上高51.8億円(前年比+13.0%増)、営業利益2.1億円と発表しているものの、市場連動価格を導入すると割高に感じる顧客が他社に切り替える流れとなり、売上高を確保できない恐れがある。

■アースインフィニティの事業内容は?

 アースインフィニティは、エネルギー事業と電子機器事業の2つを行っているものの、ほぼエネルギー事業と言ってよいだろう。電子機器事業は蓄電池・太陽光の販売などがメイン。

 アースインフィニティの主な事業は新電力として、電力会社との相対取引やJEPXから調達した電力の一般家庭や公共機関(役所など)への転売だ。決算説明資料を読むと、風力発電所として愛媛県西宇和郡ウィンドファームの7基稼働(売電価格55円/kWh)と説明あるものの、それほど大きな固定資産の計上が見当たらない(1.7億円の機械・装置の可能性あり)。

 また、バイオガス発電所(羽村バイオガス発電所)に出資していると発表あるものの、出資比率などは未公表だ。

■新電力事業の悩み

 アースインフィニティの競争力は公表されている決算説明資料だけではよくわからないのが実情だ。新電力ではアンフィニ、ホープエナジ―、FTエナジーなどが倒産。2021年までに登録のあった35社が撤退・倒産・廃業している。

JEPX高騰により不足インバランス料金65億円発生、追い込まれた新電力のホープ!(2021年4月24日投稿)

 その背景は、電力の調達価格は市場価格に連動するものの、顧客への価格転嫁が簡単にいかないことが背景にある。アースインフィニティはまだ生き残っている新電力であるものの、発電設備をほぼ持たない企業であるため、いまの事業モデルを継続するのは難しいのではないだろうか。

■アースインフィニティの財務状況は?

 アースインフィニティの2022年7月31日時点の現預金は4.7億円、有利子負債は約11億円となっている。アースインフィニティの持つ資産は有形固定資産や投資有価証券など換金しにくいものが多く、資金繰りの苦戦がつづきそうだ。

 この1年で有利子負債は約10億円ふえており、ここから負債が膨らんでいかないか注意が必要だ。なお、純資産の部は4.7億円しか余裕がなく、JEPX含めて電力価格の再度の高騰があると、顧客にそのまま価格転嫁できず、苦境に陥る利益構造であることを忘れてはならないだろう。

■アースインフィニティの株価は?

 アースインフィニティの時価総額は約50億円。2022年5月に1株あたり849円(時価総額25億円)くらいまで下落したものの、そこから株価は倍増している。いまの財務状況と事業モデルで時価総額50億円は過大評価されているように見える。なお、アースインフィニティはスタンダード市場の上場維持基準に適合しておらず、流通株式比率の改善を計画している。

 その改善の内容は、社長の濱田氏が保有する株式を最大10%くらい市場で売却する計画と公表している。そのため、いずれ市場内で株価が売られて、売り圧力になることは明白となっている。

 まずは、2023年7月期の1Q決算で赤字を出さないことが重要だ。黒字計画のため、1Qで赤字を出すと、ここから株価は大きく下がるリスクがある。

(画像1)アースインフィニティの株価推移

以 上

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