加盟店とクレジットカード会社などの中間に入り、決済代行サービスを提供しているGMOペイメントゲートウェイ。GMOグループの中核企業のひとつ。売上総利益率が+67%と同業他社のTMNの+28%前後より倍以上も高い。収益力が高いビジネスモデルを構築している。高い利益率により高い株価を維持。今後の株価と業績の行方は?
決済代行サービスのGMOペイメントゲートウェイ、キャッシュレス追い風つづく!(2021年8月27日投稿)
決済端末のトランザクション・メディア・ネットワークス、株価の行方は?(2025年5月6日投稿)
■基本情報(2025年5月9日時点)
- 株価:9,021円(10年来高値:16,680円)
- 時価総額:6,906億円
- 予想PER:36.9倍
- PBR:6.7倍
- 予想配当利回り:1.37%
- 自己資本比率:26.5%
- 会計基準:IFRS基準
- 株主数:4,490人(2024年9月30日時点)
- 事業価値:7,235億円
■GMOペイメントゲートウェイの業績は?
GMOペイメントゲートウェイの2025年9月期の第一四半期の売上高は203億円(前年比+14.1%増)、営業利益72.5億円(前年比+24.4%増)の増収増益。GMOペイメントゲートウェイの売上総利益率は+67%(前年は+64.9%)、営業利益率は+35.7%(前年は+32.8%)。
GMOペイメントゲートウェイの売上総利益は前年の115億円→136億円と+21億円の増加、販管費は前年の58億円→65億円と+7億円の増加となり、営業利益は58億円→72億円と+14億円の増加となった。
■GMOペイメントゲートウェイの事業状況は?
GMOペイメントゲートウェイのKPIをみると、オンライン決済は16万ID(前年比+5.8%増)、決済金額3.4兆円(前年比+17.9%増)、対面決済39.3万ID(前年比+20.6%増)、決済金額2.1兆円(前年比+37.3%増)と順調に成長している。
GMOペイメントゲートウェイの決済内訳をみると、すべて伸びている。フィンテック(決済デジタル)は、給与前払い、後払いサービス(BNPL)、企業間決済プラットフォームなど新しい分野にも領域を広げている。
世の中のデジタル決済は進み、デジタル請求書、国税スマホ決済、公共交通機関の決済など進む。最近では、現金を持ち歩く必要はそれほどない世の中になってきたのではないだろうか。言い換えると、ここから成長性が鈍化してしまわないか心配になる。
■GMOペイメントゲートウェイの収益は?
GMOペイメントゲートウェイはビジネスモデル別の収益を出している。もっとも収益が高い85億円となっているのはスプレッドビジネス。オンライン決済、海外レンディング、対面決済、後払い決済など手数料。そのほかにフィー、ストック、イニシャルと分かれており、スプレッドとフィー、ストックの違いがよくわからない。
■株価推移は?
GMOペイメントゲートウェイの時価総額は約7,000億円。10年来最高値から約半分くらいの時価総額になっている。高い収益性、成長性があったものの、成長性の鈍化が株価に反映した形だ。以前はPERが100倍近くあったものの、現在は37倍とデジタル企業としては妥当な範囲。
売上高と時価総額を比較したPSRは8.2倍と、売上高の8.2倍の時価総額となっている。現状の株価が妥当な水準ではないだろうか。

以 上