クラウド型のデータ管理プラットフォーム「スパイラル」を中心に展開するパイプドHD。一般消費者には馴染みのない企業であるものの、業績は絶好調の伸びている企業のひとつ。2020年2月期は売上高62億円(前年比+14.5%)、営業利益は13.9億円(前年比+252.9%)と大幅増となった。今後もこの快進撃は続くのか?株価の行方は?
■基本情報(2020年5月22日時点)
- 株価:1,500円
- 時価総額:122億円
- 予想PER:-(未定)
- PBR:3.1倍
- 予想配当利回り:-(実績は1.4%)
■高成長にもかかわらず株価の伸びは低調!
毎年10%近く売上高を伸ばしているパイプドHD。しかも、営業利益率は20%を超えており、株価成長の高成長・高収益率にマッチするものの、株価は安定的に伸びていない。個人投資家にパイプドHDのビジネスが、いまいち認知されていないのが理由のひとつ。
パイプドHDは、情報資産プラットフォーム事業、販促CRMソリューション事業、広告事業などを展開している。その中でも、情報資産プラットフォーム事業が売上高の68.4%を占めている。情報資産プラットフォーム事業とはどのようなものか?
情報資産プラットフォーム事業は、スパイラル(SPIRAL)というサービスをつかって、名刺取込管理、掲示板、メールマガジン、メール配信、備品貸出管理、WEBフォーム、顧客管理、ギフトコード付きアンケート、セミナー管理、出退勤管理、給与明細、採用・履歴書管理、契約書管理、安否確認、経費精算などの管理が可能。
これらのサービスを見ると、名刺管理のSansan、経費精算のラクスなど株価が高く評価されている企業と競合するサービスが少なくないことがわかる。パイプドHDの弱点は、サービスの数が多く、何をしている企業かわからない点が株価に反映されていない理由だ。
■時価総額が高い競合との比較!
パイプドHDの時価総額は122億円、営業利益は約14億円。名刺管理のSansanは時価総額1,600億円、営業利益は約6億円。経費精算のラクスは時価総額1,980億円、営業利益は約12億円。これらの企業と比較すると、パイプドHDは株式市場でいかに評価されていないかということ。
これらの企業との違いは、パイプドHDは東証一部、Sansanとラクスは東証マザーズに上場している点。もう一つは、売上高の成長率がパイプドHDは前年比+10%前後である一方、ラクスやSansanの伸び率は+30%以上であること。今後起こることとしては、パイプドHDの株価が見直されるか、高く評価されているクラウド事業を展開する競合の株価が下がるか、どちらかだろう。
■パイプドHDの株価推移は?
パイプドHDの株価最高値は、2,481円。時価総額でも200億円未満。しっかり実績を出しているものの、株式市場での評価はいまいち。業績面で成長をつづけていて、配当も出しているものの、株式市場で評価されていない。継続的に成長をつづけていけば、高収益率のため、どこかでしっかり評価されるはず。引き続き注目したい。
以 上