MS-Japan(MSジャパン)、オーストラリア人材派遣獲得で売上大幅増!

 管理部門や会計・法律などの有資格者向けに特化した人材紹介事業を展開しているMS-Japan(以下、MSジャパン)。2024年2月にオーストラリアの人材派遣会社FourQuarters Recruitment Pty. Ltd.の株式75%を34.7億円で買収し、事業規模は一気に拡大。財務状況は健全で、この買収を契機に一気に成長できるか?

管理部門・会計法律に特化した人材紹介のMS-Japan(MSジャパン)、配当性向100%に!(2022年11月13日投稿)

管理部門や士業に特化した人材紹介のMS-Japan(6539)、コロナショックで株価下落の先は?!(2020年10月17日投稿)

■基本情報(2024年9月20日時点)

  • 株価:1,031円(10年来高値:2,480円)
  • 時価総額:258億円
  • 予想PER:20.7倍
  • PBR:2.84倍
  • 予想配当利回り:5.43%
  • 自己資本比率:88.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:16,419人(2024年3月31日時点)
  • 事業価値:200億円

■MSジャパンの業績は?

 MSジャパンの2025年3月期の第一四半期の売上高は19.2億円(前年比+78.9%増)、営業利益は4.4億円(前年比+8.5%増)の増収増益。MSジャパンの売上総利益率は+79.1%(前年は+99%)、営業利益率は+23.1%(前年は+38.1%)と大きく悪化している。オーストラリアのFQR社が加算され、日本事業ほど利益がでていないからだ。

 MSジャパンの売上総利益は前年の10.7億円→15.2億円と+4.5億円の増加、販管費は前年の6.6億円→10.7億円と+4.1億円の増加となり、営業利益は+0.4億円の増加にとどまった。EBITDAは4.3億円→5.6億円と+1.3億円の増加となっており、のれん償却費が約1億円発生していると思われる。

■MSジャパンの事業状況は?

 MSジャパンは人材紹介事業をメインに多角的に人材事業を拡大している。メディア事業として、Manegyという経営管理メディアを展開、また特化型ダイレクトリクルーティングメディアを運営している。

 足元で人材紹介事業は前年比+14.9%増となり好調だ。新規登録者は4,733名で前年同期比+3.6%増、新規求人数は+2.1%の4,839名となっている。インフレなどによる人件費上昇により人材仲介事業も紹介料が表面的にアップすると思われる。

 買収したオーストラリアのFQR社は売上高7.1億円と年間進捗率は22.1%。現在の従業員数は50名でコンサルタント数は44名となっている。

■MSジャパンの財務状況は?

 MSジャパンの2024年6月30日時点の財務諸表をみると、現預金は32億円、有価証券10億円、のれん30億円、投資有価証券17億円となっている。現金相当額は約60億円ある。負債をみると、有利子負債はゼロ。財務的にはきわめて健全だ。

 年間配当金は1株あたり56円で、現在の株価からの予想配当利回りは5.0%を超えている。年間の1株あたりの税引き後利益(EPS)は49.6円を予想しているため、配当性向は100%以上となる見込みだ。

 なお、MSジャパンの従業員数は189名、平均年齢31.2歳、平均年収は539万円とそれほど高くない。

■MSジャパンの株価推移は?

 MSジャパンの時価総額は約260億円。株価指標的には割安感はないものの、配当利回りが5%を超えているため、株価を下支えしている。日本の人材紹介は新規参入も多いので、競争ははげしい。しかしながら、なかなか赤字になりにくい利益モデルであり、高収益なビジネスモデルであるので安心感のある投資先ではあるだろう。

以 上

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