パーソナルジムのトゥエンティフォーセブン(24/7)、コロナ禍で苦戦は本当か?

 パーソナルジム「24/7ワークアウト」を展開しているのトゥエンティフォーセブン(以下、24/7)。新型コロナウイルスの感染拡大で2020年3月頃から営業自粛・休業などを強いられるようになり、24/7も大きな影響を受けた。24/7の決算説明資料をみると、新型コロナウイルスの影響を大きく受けているように見えるものの、ライバルであるエニタイムフィットネスや総合フィットネスクラブ(セントラル、コナミスポーツ等)は回復基調である。24/7の業績と株価はどうなるのか?

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コロナ禍で苦戦するセントラルスポーツ、株価は底打ちか!?(2021年5月23日投稿)

■基本情報(2022年2月4日時点)

  • 株価:789円(10年来高値:6,090円)
  • 時価総額:35.8億円
  • 予想PER:8.9倍
  • PBR:1.75倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:55.8%
  • 会計基準:日本基準

■24/7の業績は?

 24/7の2021年11月期の売上高は54.6億円(前年比△4.3%減)、営業利益△50百万円(前年は△10.1億円の赤字)と減収と赤字幅縮小となった。24/7の売上総利益率は+49.4%(前年は+48.5%)。売上総利益は27億円(前年は27.6億円)稼いでいるものの、販管費が27.5億円(前年は37.8億円)と大きく、差引で営業損失となっている。

 2021年11月期の販管費の内訳は公表されておらず不明であるものの、2020年11月期の有価証券報告書を見ると、広告宣伝費21.8億円、支払手数料3.4億円が大きなわりあいを占めている。売上高の約40%くらいを広告宣伝費に投入しており、言い換えると、これくらい広告宣伝費を投入しないと顧客が維持できない状況なのかもしれない。

 2021年11月期の販管費は27.5億円(前年は37.8億円)だったため、おそらく、広告宣伝費を10億円くらい減額したものと思われる。その結果として、減収になったと考えるのが妥当だ。

■24/7の事業内容は?

 「24/7ワークアウト」は全国68店舗を展開している。2020年11月期には81店舗を展開していたため、現在は店舗の閉鎖・統合がつづいている。フランチャイズでの展開も進んでおり、フランチャイズ店の契約終了によるクローズもある。「24/7ワークアウト」は月額10.8万円で週2回75分のパーソナルトレーニングのサービスを提供している。1回あたり1.3万円くらいになる。

 ここ数年、YouTubeなど見ていてもパーソナルトレーニングを活用する人が増えているし、パーソナルトレーニングをYouTubeで宣伝する人も増えている。あたらしい市場として20~40代を中心に広がっているマーケットと考えてよいだろう。

■24/7イングリッシュ(English)とは?

 24/7は「24/7イングリッシュ」というマンツーマン英会話レッスンのビジネスを展開している。しかしながら、2021年度に6教室を閉店しており、現在は3教室のみ。24/7は非対面型の新サービス「BSS英会話(月額:6,512円~)」にサービス資源を集中する、としている。

■24/7の株価推移は?

 24/7の時価総額は約36億円。上場直後は一時、時価総額250億円くらいだったものの、新型コロナウイルスの影響により業績悪化、株価も大きく下落した。24/7の先行きで悩ましいのは、フランチャイズの閉店がつづいていること、「24/7イングリッシュ」が撤退方向で進んでいること。

 いっぽう、年間で約50億円を超える売上規模を確保しており、広告宣伝費次第では黒字化も射程範囲に入っている。24/7の財務諸表をみると、現預金は19億円保有しており、前受金6億円あり、キャッシュフローはよい感じ。有利子負債はゼロ。営業利益は赤字であるものの、営業キャッシュフローは+3.4億円と減価償却費1.5億円など考慮すると悪くない。

 24/7はコロナ禍が終わって店舗数が増えてくれば、一気に黒字に持っていける潜在力はある。売上総利益率を見ても収益性の高いビジネスモデルである。そろそろ、底値の可能性もあるので継続ウォッチが必要だ。

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