業務用食材・食品の電子商取引(マーケットプレイス)の「Mマート」や「Bnet」を運営しているMマート。2000年2月設立、2018年2月に東証マザーズに上場したネット企業。従業員数は2023年1月末時点で67名。売上高は年間10億円未満であるものの、利益率が高く最近注目を集めている。
■基本情報(2023年3月24日時点)
- 株価:1,261円(10年来高値:3,485円)
- 時価総額:62億円
- 予想PER:22.1倍
- PBR:4.76倍
- 予想配当利回り:1.26%
- 自己資本比率:68.1%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:2,170人(2022年7月末時点)
■Mマートの業績は?
Mマートの2023年1月期の売上高は9.9億円(前年比+9.2%増)、営業利益3.5億円(前年比+29.6%増)の増収増益。Mマートは売上総利益率を公表しておらず、営業利益率は+35%(前年は+30%)と+5%の改善となった。4Qから利用料を値上げしており、それが寄与した形だ。コロナ禍でも堅調に売上高を伸ばしており、不況に強いビジネスモデルと言えるだろう。
■Mマートの事業内容は?
Mマートは「Mマート」という食品・食材のマーケットプレイスをネット上で展開している。いわゆる、取引の「場」を提供して、かつ、BtoB(業務用)に特化しているのが特徴だ。売り手企業に出店してもらい、買い手企業は無料で利用できる仕組み。いわゆる、直接、販売業者を探せる仕組みというのがわかりやすいだろう。
Mマート自身はマーケットプレイスを運営しており、自社で在庫を持つ必要がない。いわゆる、業務用のマッチングサービスという位置づけだ。マッチング後にMマートを通さずに取引することもOKとしている。資金決済については、間にMマートが介在しているが、商品発送前に入金してもらい、商品配送着に売り手に送金する仕組みでリスクを負担していないのが特徴だ。
■過去最高を更新!
Mマートは2023年1月期、売上高9.9億円、営業利益3.5億円、営業利益率+35%で過去最高益を更新。2024年1月期は、売上高11.1億円、営業利益4.1億円、営業利益率+37%で更に過去最高益を更新する計画だ。
Mマートで気になるのは事業規模。たしかに増収増益としているが、大きく成長するイメージが持てず、個人投資家としては、それほど株価上昇を期待できるイメージがわかない。
■Mマートの財務状況は?
Mマートの2023年1月末の財務状況をみると、現預金は16億円、未収入金1.9億円、設備や在庫はほぼ持っていない。いっぽう、有利子負債はゼロ、未払金1.9億円、預り金3億円となっている。財務的にはきわめて健全だ。
■Mマートの株価推移は?
Mマートの時価総額は約60億円。株価指標的には割高ではないものの、事業規模が小さいので爆発的に株価が伸びるイメージがしにくい。気になるのは従業員の平均年収が473万円となっており、業績も安定していると+150~200万円くらい給料を出しても良いのではと考えてしまう。
かりに従業員60人に150~200万円の年収増とすると、90~120百万円の収益悪化となり、それほど利益がでているとはいえない(未上場の中小企業としては、悪くない利益だと思う)。正直、平均年収500万円未満であると、優秀な従業員を採用することは難しいだろう。なお、従業員の平均年齢は48.7歳となっている。
業態は違うものの、業務用食品通販のミクリードは従業員の平均年齢は43.8歳で、平均年収は638万円とMマートよりも200万円ほど高い(従業員数が20名ほどと少ない点は異なるが)。
業務用食材・食品通販のミクリード、コロナ禍で需要回復つづく!?(2023年2月5日投稿)
以 上