「Sales Platform」「Sales Crowd」などの営業支援サービスや「mama works」など人材支援サービスを行っているアイドマ・ホールディングス(以下、アイドマ)。2008年12月設立、従業員数326名、業務委託3,761名。クラウドワーカーを活用した営業支援など独特の事業モデルを展開しているアイドマ。今後の業績と株価の行方は?
「Sales Crowd」のアイドマ・ホールディングス、受注が停滞気味か!?(2024年8月12日投稿)
■基本情報(2025年2月21日時点)
- 株価:1,912円(10年来高値:5,705円)
- 時価総額:292億円
- 予想PER:17.6倍
- PBR:4.35倍
- 予想配当利回り:1.56%
- 自己資本比率:67.1%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:5,116人(2024年8月31日時点)
- 事業価値:241億円
■アイドマの業績は?
アイドマの2025年8月期の第一四半期の売上高は30.2億円(前年比+20.4%増)、営業利益6.7億円(前年比+14.7%増)の増収増益。アイドマの売上総利益率は+67.2%(前年は+72.7%)、営業利益率+22.1%(前年+23.2%)と高い水準であるものの悪化傾向となっている。
アイドマの売上総利益は前年の18.2億円→20.3億円と+2.1億円の増加、販管費は前年の12.4億円→13.6億円と+1.2億円の増加となり、差し引きで営業利益は+0.9億円の増加となった。
アイドマの売上原価の内訳をみると、その9割は業務委託費で営業支援の電話など案件にかかった費用が計上されている。販管費のメインは人件費と広告宣伝費だ。正社員約300名はすべて販管費に計上されていると思われる。
アイドマの売上総利益率が高いものの、サブスクリプションモデルのITサービス企業とは異なるため、利益構造の特徴に留意が必要だ。
■アイドマの事情状況は?
アイドマは営業支援、人材支援の大きく2つに分かれたビジネスをしている。ITサービス会社ではないため、受注件数がアイドマにとって重要なKPIである。言い換えると、世の中の景気が悪化したときに顧客である中小企業からの受注が一気になくなるリスクがあることに留意が必要だ。
ITサービスであると、なかなか別のシステムに移行することができず、たとえ景気が悪化してもサービスの解約は難しい。いっぽう、アイドマは景気が大きく悪化すると解約されるリスクがある。
アイドマの従業員の平均年齢は30.4歳、平均勤続年数2.0年、平均年収578万円。年齢的には給与水準は低くないものの、高収益企業にしては給与水準はそれほど高くない。
■アイドマの株価推移は?
アイドマの時価総額は約300億円。中小企業向けにITを活用した営業支援をしている会社。もう少しITサービス面が全面に出てくると、株価への見方も変わってくるのではないだろうか。たしかに人手不足のサポート役ではあるものの、受注件数などみると、かなり営業活動に力をいれていることがわかる。

以 上