「ドトールコーヒーショップ」「エクセルシオールカフェ」「洋麺屋五右衛門」「星乃珈琲店」などを展開しているドトール・日レスホールディングス(以下、ドトール・日レス)。2007年10月にドトールコーヒーと日本レストランシステムが共同持ち株会社を設立して誕生した外食大手チェーングループ。コーヒー、パスタと外食のなかでも利益率の高い領域で利益を稼ぐモデル。
■基本情報(2023年10月6日時点)
- 株価:2,282円(10年来高値:2,823円)
- 時価総額:1,041億円
- 予想PER:18.5倍
- PBR:1.02倍
- 予想配当利回り:1.57%
- 自己資本比率:78.0%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:62,337人(2023年2月28日時点)
■ドトール・日レスの業績は?
ドトール・日レスの2024年2月期の第一四半期の売上高は352億円(前年比+15.2%増)、営業利益21.7億円(前年比+122.8%増)の増収増益。ドトール・日レスの売上総利益率は+59.6%(前年は+59.4%)、営業利益率は+6.2%(前年は+3.2%)。
ドトール・日レスの売上総利益は前年の181億円→209億円と+28億円の増加、販管費は前年の172億円→188億円と+16億円の増加となり、差し引きで営業利益は+11億円の増加となった。
■ドトール・日レスの事業内容は?
ドトール・日レスは、2007年10月に外食産業競争の激化の要因で合併を決定。ドトールでは、「ドトールコーヒー」「エクセルシオールカフェ」などが有名。日本レストランシステムでは「洋麺屋五右衛門」「星乃珈琲店」「にんにく屋五右衛門」などパスタを中心とした洋食店がメイン。両社を合計すると、幅広い外食店を展開している。
ドトール・日レスは、直営店ビジネスと卸売ビジネスの大きく2つから展開される。フランチャイズチェーン店にコーヒー豆、材料などを販売するビジネスが30%、直営店ビジネスが全体の60%の売上高を占めている。そのなかでも、「ドトールコーヒーショップ」「星乃珈琲店」「洋麺屋五右衛門」の売上高が大きい。
卸売業では、コンビニなどでもドトールのコーヒーが缶やペットボトルで販売することをよく目にするだろう。また、ドリップコーヒーなどもスーパーマーケットやコンビニで目にする。
■フランチャイズ戦略は?
「ドトールコーヒーショップ」は全体の約8割はフランチャイズとなっている。いっぽう、「洋麺屋五右衛門」はすべて直営店、「星乃珈琲店」も直営店が約8割となっている。
ドトールは全国で1,066店舗、洋麺屋五右衛門は全国で205店舗の展開となっている。店舗数でみると、ドトール・日レスの看板はドトールコーヒーとなっている。
「ドトールコーヒーショップ」の開示されているフランチャイズチェーンの条件をみると、チェーン加盟金は150万円、出店準備金150万円、加盟保証金150万円、出店保証金150万円などが加盟のための一時金で合計600万円。ロイヤリティは売上高の2%、その他に店舗総合管理システムの利用料などがある。これらに加えて、土地賃借代、内装費用など費用がかかるだろう。
■ドトール・日レスの財務状況は?
ドトール・日レスの2023年5月31日時点の財務諸表をみると、現預金は333億円、有形固定資産は472億円(うち、土地209億円)、敷金・保証金196億円。負債は、有利子負債が約6億円しかない。純資産の部は976億円と財務的には健全だ。
言い換えると、外食産業のなかでもコーヒーとパスタは非常に利益の出やすい業態であることは間違いない。原価率が低い。同業他社のサンマルクホールディングスも同様に原価率が低いのが特徴だ。
「サンマルクカフェ」のサンマルクホールディングス、コロナ後の業績回復つづく!(2023年10月8日投稿)
■ドトール・日レスの株価推移は?
ドトール・日レスの時価総額は約1,000億円。コロナ禍で株価は下落したものの、現在は上場来最高値を目指すような勢いだ。しかしながら、ドトール・日レスの業績推移をみると、2015年~2020年度くらいまでは売上高は1,200億円~1,300億円でほぼ横ばい、経常利益も約100億円で推移している。
2024年2月期の業績予想は、売上高1,390億円、経常利益74億円と過去の平均値を下回る水準。このようななかで上場来高値は難しいのではないだろうか?
以 上