「サンマルクカフェ」のサンマルクホールディングス、コロナ後の業績回復つづく!

 「サンマルクカフェ」などの喫茶事業、「鎌倉パスタ」「函館市場」などのレストラン事業の2つの柱で事業展開しているサンマルクホールディングス(以下、サンマルク)。コロナ感染拡大の影響で業績は大きく落ち込んだものの、ようやく回復基調になっている。しかしながら、2016年~2017年の好調時の利益率にはおよばず、株価は当時の半値くらいにとどまる。業績と株価の回復はあるのか?

■基本情報(2023年10月6日時点)

  • 株価:1,886円(10年来高値:4,435円)
  • 時価総額:430億円
  • 予想PER:76.8倍
  • PBR:1.3倍
  • 予想配当利回り:2.65%
  • 自己資本比率:62.9%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:60,744人(2023年3月31日時点)

■サンマルクの業績は?

 サンマルクの2024年3月期の第一四半期の売上高は152億円(前年比+12.3%増)、営業利益2.6億円(前年同期は△3.0億円の赤字)と増収黒字転換となった。サンマルクの売上総利益率は+76.0%(前年は+77.2%)、営業利益率は+1.7%。販管費の負担が大きく、もう少し規模の拡大が必要だ。

 サンマルクの売上総利益は前年の105億円→116億円と+11億円の増加、販管費は前年の108億円→113億円と+5億円の増加となり、差し引きで+6億円の利益改善となった。前年同期は営業外収益として、感染拡大防止協力金が8.3億円(今年はゼロ)あったため、経常利益は前年の6.1億円→2.8億円と△3.3億円の悪化となっている。

■サンマルクの事業内容は?

 サンマルクは「サンマルクカフェ」の印象が強いものの、売上規模は喫茶事業よりレストラン事業のほうが規模が大きい。おおよそ、レストラン事業が6割、喫茶事業が4割の売上高比率となっている。セグメント利益をみると、レストラン事業のほうが稼いでいる。

 サンマルクのレストラン事業は「鎌倉パスタ(195店舗)」「サンマルク(47店舗)」「サンマルクグリル(65店舗)」「函館市場(9店舗)」「バケット(77店舗)」など。喫茶事業は「サンマルクカフェ(333店舗)」「倉式珈琲(62店舗)」となっている。

■サンマルクの利益は減少傾向

 ここ数年だとサンマルクはコロナの影響をうけて業績は大きく悪化。ただ、長期的にみると、サンマルクの業績は横ばいからの停滞傾向となっている。

 2012年度:売上高 488億円、経常利益 71億円(利益率:+14.5%)
 2014年度:売上高 608億円、経常利益 77億円(利益率:+12.7%)
 2016年度:売上高 675億円、経常利益 80億円(利益率:+11.9%)
 2018年度:売上高 700億円、経常利益 66億円(利益率:+9.4%)
 2020年度:売上高 440億円、経常利益△36億円
 2022年度:売上高 578億円、経常利益  16億円(利益率:+2.8%)

 サンマルクの株価が高値から半値以下になっている理由はコロナというより、事業の停滞感が大きな要因だ。いまは成長企業というより成熟企業となっている。居酒屋などとくらべて、喫茶やパスタ事業は利益率が高く、サンマルクの売上総利益率は70%を超えている。しかしながら、原材料の高騰や販管費の上昇で利益がでにくくなっている。

■サンマルクの財務状況は?

 サンマルクの2023年6月末の財務諸表をみると、現預金は148億円、売掛金38億円、有形固定資産は158億円、敷金・保証金81億円など。負債は有利子負債が60億円。純資産の部は295億円となり、財務的には健全だ。

■サンマルクの株価推移は?

 サンマルクの時価総額は約430億円。予想配当利回りは2.65%と低くなく、株主優待券は個人株主を引き付ける。現在の株主は6万人を超えている。いっぽう、株主が多く、よほどのサプライズがないと株価は上がりにくい。いまはコロナ禍の業績反発で株価は上昇しているものの、上値は重いのではないだろうか。2015年~2016年の高い株価まで戻ることはなかなか難しいだろう。

(画像1)サンマルクの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする