中小の居酒屋を中心に食材や食品を提供しているミクリード。上場後に新型コロナウイルス感染拡大により苦戦を強いられてきたものの、ようやく黒字が定着してきた。忘年会シーズンと重なり、10月~12月は従来とくらべると好調な業績となった。しかしながら、株価は横ばいがつづいている。
アフターコロナ?ミクリードの売上高が回復!黒字化が見えた(2022年7月31日投稿)
居酒屋向け業務用食材卸サイトのミクリード、赤字つづく!(2022年5月28日投稿)
■基本情報(2023年2月3日時点)
- 株価:999円(10年来高値:1,620円)
- 時価総額:22億円
- 予想PER:19.7倍
- PBR:2.23倍
- 予想配当利回り:1.01%
- 自己資本比率:56.1%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,099人(2022年3月31日時点)
■ミクリードの業績は?
ミクリードの2023年3月期の第三四半期の売上高は34.2億円(前年同期比+49.5%増)、営業利益1.6億円(前年同期は△35百万円)の増収黒字転換となった。ミクリードの売上総利益率は+33.9%(前年は+33.7%)、営業利益率は+4.6%となった。3Q単期でみると、売上総利益率は+34.3%、営業利益率は+6.6%となった。
前期はコロナによる忘年会自粛などの雰囲気により業績が伸び悩んだ。今期もコロナ感染者が増加したものの、営業自粛や休業要請がなく、ほぼ通常営業に戻った形だ。また、10月からは海外からの入国制限もなくなり、インバウンドの旅行者が目に見えて増えたこともプラス要因だ。まだ、中国からの訪日客が戻っておらず、今後の伸びしろと考えることもできる。
■ミクリードの課題は?
ミクリードの課題は事業規模の拡大だ。現状の年間売上高は約45億円で、やはり100億円くらいまで伸ばす成長戦略が必要。規模が大きくなると、営業利益率が改善する利益構造であるため、商品ラインナップや事業領域の拡大が必要だ。
現在の顧客数は10,575件と前年の8,000件から+32.2%の伸び。ただ、前年が大きくへこんでいたため、あまり妥当な比較ではない。居酒屋などの外食産業は人手不足により生産性の改善が求められており、中小外食のセントラルキッチンとしてのミクリードの役割が求められる。
■ミクリードの株価は?
ミクリードの時価総額は約21億円。上場してから株価はほぼ横ばいだ。とにかく売上規模の拡大をしないと株価上昇も見えてこない。少数精鋭の20名で事業を回しており固定費は低いものの、運送費や業務委託費の値上げなどが予想されており、適切な値上げ(価格アップ)は必須だ。引き続き、ミクリードをウオッチしたい。
以 上