中古コンパクトマンションの販売を中心とした「RENOSYマーケットプレイス」を展開しているGA technologies（以下、GAテクノロジーズ）。年間売上高は1,400億円を超える計画であり、前年比+20%を超える成長をつづける。GAテクノロジーズの業績と株価の行方は？
不動産テック？「RENOSY」で稼ぐGAテクノロジーズ、成長は加速！（2023年1月15日投稿）
■基本情報（2023年8月10日時点）
- 株価：1,186円（10年来高値：3,995円）
- 時価総額：435億円
- 予想PER：101.3倍
- PBR：2.2倍
- 予想配当利回り：0%
- 自己資本比率：33.7%
- 会計基準：IFRS基準
- 株主数：6,663人（2022年10月31日時点）
■GAテクノロジーズの業績は？
GAテクノロジーズの2023年10月期の第二四半期の売上高は634億円（前年比+29.7%増）、事業利益9.1億円（前年比+277.1%増）の増収増益。GAテクノロジーズの売上総利益率は+15.8%（前年は+14.1%）、事業利益率は+1.4%（前年は+0.5%）と若干は改善している。
GAテクノロジーズの売上総利益は前年の69.1億円→100.3億円と+31.2億円の増加、販管費は前年の66.6億円→91.2億円と24.6億円の増加となり、差し引きで6.7億円の改善となった。
■GAテクノロジーズの事業状況は？
GAテクノロジーズは不動産テックというフレーズであるものの、実態としては新築、中古のコンパクトマンションを販売するのがメインだ。「RENOSYマーケットプレイス」という事業であるものの、いかに集客して、個人にマンションを買ってもらうかというビジネス。買ってもらうときに、ITANDIという自社サービスを使ってもらい、管理マンションの契約件数を増やすビジネスモデル。
GAテクノロジーズの事業は堅調であるものの、ほかの不動産販売企業と比較すると、かなり株価の評価は高い。売上総利益は半期で100億円ほど生み出しているものの、販管費も90億円ほど投入しており、残る利益が少ない。
■販管費の内訳は？
GAテクノロジーズの販管費の内訳をみると、人件費、広告宣伝費の２つが大きい。いかに広告で顧客を集客して、人海戦術で販売するかがビジネスモデルの基本だからだ。現状、四半期で販管費は47～48億円くらい発生する。
GAテクノロジーの従業員数は1,069名。そのうち、66%はビジネス職という営業員となっている。RENOSYは広告をうって集客し、現在の会員ストック数（登録者数ではなく、これまで会員登録した人の累計数）は35.4万人。会員登録数ではないので、確実に毎期、増えていく。前年同期比で+22%増となっている。
■GAテクノロジーズの財務状況は？
GAテクノロジーズが不動産販売会社であることを考えると、財務状況がどうなっているか把握しておくことは必須だ。GAテクノロジーズの2023年4月30日時点の財務諸表をみると、現預金は128億円、棚卸資産は102億円、投資不動産は130億円、のれん・無形資産等の買収関係の資産は約130億円となっている。負債をみると、有利子負債は約120億円、リース負債は約170億円となっている。
GAテクノロジーズは2018年7月に東証マザーズに上場し、約15億円を市場から調達。2021年1月に公募増資により約135億円を調達している。とくに2021年1月の公募増資により財務的には健全性が保たれていると言えるだろう。
■GAテクノロジーズの株価推移は？
GAテクノロジーズの時価総額は約440億円。SREホールディングス（旧ソニー不動産）のような不動産テック企業とみるのか、投資用不動産の販売会社であるムゲンエステート、サンフロンティア不動産などと比較するするかによりGAテクノロジーズの時価総額の見え方が異なる。
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サンフロンティア不動産は時価総額720億円であるものの、今期の売上高は830億円、営業利益は165億円を計画している。正直、収益性が大きく異なる。ムゲンエステートは時価総額230億円、売上高461億円、営業利益46億円を計画している。GAテクノロジーズのビジネスモデルをどう読み解くかで投資すべきかどうかを判断すべきだろう。
以 上