コスト削減の成果報酬コンサルのプロレド・パートナーズ、今後の業績の行方は?

 コスト削減の成果報酬型のコンサルティングを提供しているプロレド・パートナーズ(以下、プロレド)。インフレによる物価上昇により、これまでの成果報酬であげていた利益が上がらずに苦戦しているプロレド。しかしながら、中途採用の人材紹介会社のDODAなどではコンサルタントの採用を積極的に実施している。これまでの流れから変化がみられるのか?

投資事業組合による運用益8.6億円、プロレド・パートナーズの挽回なるか?(2023年6月17日投稿)

■基本情報(2023年8月14日時点)

  • 株価:501円(10年来高値:6,280円)
  • 時価総額:56億円
  • 予想PER:9.1倍
  • PBR:0.9倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:58.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:3,264人(2022年10月31日時点)

■プロレドの業績は?

 プロレドの2023年10月期の第二四半期の売上高は13.6億円(前年比△8.8%減)、営業利益△98百万円(前年は+1.2億円の黒字)と減益赤字転落となった。プロレドの売上総利益率は+32.3%(前年は+54.7%)と大きく悪化している。

 プロレドの売上総利益は前年の8.2億円→4.4億円と△3.8億円の減少、販管費は前年の7.0億円→5.4億円と△1.6億円の減少となったものの、差し引きで営業利益には△2.2億円の悪化となった。結果、営業利益は前年の1.2億円→△1.0億円と悪化。

■プロレドの事業状況は?

 プロレドの業績はコロナ禍やロシアとウクライナとの戦争の影響などによりインフレ(物価高騰)が発生し、従来の成功報酬の計算式では報酬が十分受け取れていないという課題がある。しかしながら、本質的なコスト削減の考え方や顧客へのコスト削減のサービス提供は変わっていないため、いずれインフレが終わると、再びコスト削減コンサルの業績は回復すると見ている。

 足元の業績は営業赤字が続いており、とくに小売・飲食への売上高(成果報酬)が減っている。言い換えると、小売・飲食の売上高が回復してくると、業績も回復してくるのではないだろうか。案件数も減少しているものの、それほど落ち込みは大きくない。

■気になる求人情報!

 プロレドの会社ホームページの中途採用ページをみると、全部で12件の募集が掲載されている。SCM・物流コンサルタント、プライベート・エクイティ向けのコンサルタント、経営コンサルタント(コスト削減)、システムコンサルタントなど幅広く募集している。

 とくにシステムコンサルタントの募集の印象が強い。募集内容を読むと、それほど具体的な記載がなく、SIer(システムインテグレーター)のPL・PMの経験などシステム開発経験が求められる。年収は600~1,000万円くらい。

 物流コンサルタントは、配送単価の最適化、倉庫移転の支援、在庫の最適化など。シニアマネージャーの場合は、年収1,000~1,300万円で募集だ。

 また、バリューアップコンサルタントという職種でも募集している。PEファンド投資先に対するバリューアップサービス(おそらく、自社投資のブルパスの関係か?)、事業会社への企業変革サービス、スタートアップ企業への成長支援など。

 求人情報を読むと、もしかすると、コスト削減コンサルよりも投資事業のブルパスに力を入れているようにも見える。

■プロレドの財務状況は?

 プロレドの2023年4月30日時点の財務諸表をみると、現預金は57億円、のれん2.9億円、投資有価証券35億円。負債は、有利子負債が約11億円。財務的にはきわめて健全だ。

 キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは△1.7億円、財務CFはブルパスの投資有価証券の売却により+48億円、財務CFはその投資有価証券の出資者への還元により△36.8億円となり、現預金は+9.5億円の増加となった。

■プロレドの株価推移は?

 プロレドの時価総額は約56億円。キャッシュリッチな会社であり、資産の点からみると割安だ。課題は将来の成長性であるが、いまは赤字であるので判断のしようがない。ただ、将来的にはインフレはどこかで終了するし、コスト削減の手法や考え方は変わらないので、インフレが終了するとプロレドへの委託も増えるのではないだろうか。

 また、コロナ禍で飲食や小売の売上高が減っていたものの、稼働率が改善してくると売上高にもプラスで作用するのではないだろうか。プロレドの株価チャートをみると、ここから大きく株価が下がることも難しいのではないだろうか。

(画像1)プロレドの株価推移

以 上

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