スキンケア商品の「パーフェクトワン」シリーズや健康食品「BODY AURA」等をネット通販中心に展開している新日本製薬。「製薬」と企業名がついているものの、製薬会社ではなく化粧品(スキンケア)、健康食品を販売している会社。プレミアアンチエイジングや北の達人コーポレーション、ファーマフーズなどが同じような業態だ。新日本製薬の業績と株価の行方はどうなるのか?
育毛剤「ニューモ」の売上高激増!ファーマフーズ、通販事業で高成長つづく!(2020年12月5日投稿)
化粧品「DUO」「CANADEL」のプレミアアンチエイジング、テレビCMで業績拡大!(2021年3月28日投稿)
■基本情報(2021年4月16日時点)
- 株価:2,262円(10年来高値:3,360円)
- 時価総額:494億円
- 予想PER:21.3倍
- PBR:3.3倍
- 予想配当利回り:1.43%
- 自己資本比率:75.1%
- 会計基準:日本基準
■新日本製薬の業績は?
新日本製薬の2021年9月期の第一四半期の売上高は84.9億円(前年同期比△2.7%減)、営業利益8.3億円(前年同期比+20.8%増)の減収増益となった。新日本製薬の売上総利益率は+84.8%(前年同期は+84.9%)、営業利益率は+9.7%(前年同期は+7.8%)となっている。化粧品・健康食品の通販企業は原価の低い商品を積極的な広告宣伝で拡販するのが特徴だ。
プレミアアンチエイジングやファーマフーズなども同様だ。化粧品や健康食品はOEMで安く製造してくれるメーカーが多く、いかにブランディングして販売するかがキーになる。原価が安いため、大ヒットすると大きく利益がでるのが特徴だ。新日本製薬も売上高84.9億円に対して、広告宣伝費25.3億円を投入している。
■高い広告宣伝費!
新日本製薬の売上高内訳をみると、通信販売が全体の約9割を占めている。卸売販売や海外販売はまだ小さく、これからの伸びしろとなっている。広告宣伝費は25.3億円と前年同期の26.4億円よりも抑えることができた。そのほかにFFコスト(材料費などと思われる)、コールセンターコストなどが業績を管理するKPIとなっている。
新日本製薬にかぎらず、化粧品や健康食品を扱う通販企業は広告宣伝費投入によるブランディング化が重要だ。製品開発にコストを投入しているわけではなく、製品の成分は皮膚やカラダに良いものを使っているものの、ほかの製品とくらべて著しい製品自体の差別化はほとんどない。基本的に製品開発などの特許などを保有していない。開示資料に記載されていないものの、新日本製薬の製品もOEMで外注されていると思われる(ブランド名は商標登録されているはず)。
■主力ブランド「パーフェクトワン」!
新日本製薬の主力製品は「パーフェクトワン」シリーズだ。美容液ジェルシリーズなどアンチエイジング市場に商品を投入している。Amazonの販売価格をみると、「パーフェクトワン ホワイトニングジェル 単品 75g」は3,930円(2021年4月17日時点)で販売されている。
「パーフェクトワン(PERFECT ONE) 【医薬部外品】 薬用リンクルストレッチジェル シワ・美白・ハリ対策 高保湿オールインワン美容液ジェル 無色(合成着色料無添加) 50g」は5,575円(税込)で販売されている。スキンケア製品(化粧品)には、医薬品、医薬部外品、化粧品の大きく3つあり、新日本製薬が販売しているのは医薬部外品と化粧品に該当するもの。医薬品に該当するものは、基本的には医師の処方箋が必要となる。
■スマートヘルスケア事業の育成!?
新日本製薬はミドル世代向けにスマートヘルスケアという分野での事業拡大をスタートした。具体的にはドラッグストアやインターネットで購入できる健康食品の販売だ。たとえば、「BODY AURA ボディオーラ L.ラムノサス菌(乳酸菌) + 発酵小麦胚芽エキス(FWGE) 30日分」をAmazonで6,480円で販売している。
化粧品と健康食品はほぼ同じジャンルのビジネスで、外見またはカラダのどちらかの健康やアンチエイジングを目指した製品を販売するビジネス。両方とも改善につながる栄養素や成分は判明しているため、OEM企業に製造を任せればよく、原価が低いのが特徴だ。
■新日本製薬の株価の行方は?
新日本製薬の時価総額は約500億円。2020年12月に東証マザーズから東証一部に市場変更するとき、180万株の増資を実施した(希薄化率は8.5%)。その売出し以降、新日本製薬の株価は下落トレンドとなっている。同業他社のプレミアアンチエイジングやファーマフーズにくらべると、株価の割高感はない。
新日本製薬は前年比の成長率が鈍化しており、グロース銘柄としての魅力にかけるところがある。化粧品・健康食品の通販企業はマーケティング次第で大ヒット商品が生まれる可能性があるため、押し目で買い進んでも良いかもしれない。ファーマフーズは育毛促進剤「ニューモ」の大ヒットで時価総額は倍増している。
以 上