「Wantedly VISIT」のウォンテッドリー、採用と従業員定着に貢献するビジネス!

 「気軽に会社訪問」をできるような仕組み「Wantedly VISIT」を提供しているウォンテッドリー。女性の仲暁子さんが社長で有名な企業。営業利益率が30%前後まで上昇している高収益企業であるものの、成長性が前年比+10%まで減少。現在の株価は上場時の初値5,010円(分割後:2,550円)を下回っている状態だ。今後のウォンテッドリーの業績と株価の行方は?

ビジネスSNSのウォンテッドリー(Wantedly)、加速的に利益拡大!(2022年7月18日投稿)

会社訪問アプリ「Wantedly Visit」のウォンテッドリー、期待大のサブスクリプション成長モデル!(2021年5月8日投稿)

■基本情報(2023年2月24日時点)

  • 株価:1,720円(10年来高値:5,770円)
  • 時価総額:163億円
  • 予想PER:19.2倍
  • PBR:6.89倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:72.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:994人(2022年8月31日時点)

■ウォンテッドリーの業績は?

 ウォンテッドリーの2023年8月期の第一四半期の売上は11.9億円(前年同期比+12.0%増)、営業利益3.5億円(前年同期比+34.3%増)の増収増益。ウォンテッドリーは売上総利益率は表記していないため、粗利が分からない状況だ。

 2023年8月期のガイダンス(業績目標)は、売上高49.5億円(前年比+10%増)、営業利益15.5億円(前年比+23%)、営業利益率+31%(前年は+27%)を掲げている。

■ウォンテッドリーの事業状況は?

 ウォンテッドリーは2010年9月にスタートした企業で現在の会社訪問アプリ「Wantedly Visit」をはじめとしたサービスを提供している。いわゆる、日本版のLinkedin(リンクドイン)と言われている。ウォンテッドリーはテック系の事業内容で、いわゆるサブスクリプションモデルのストック売上高比率が高い。

 そのいっぽうで、株価は上場時の初値を下回る状況で、それほどマーケットの評価は高くない。また、株主数が1,000人を割っている状況で人気がないと言えるだろう。

 ウォンテッドリーの売上高推移をみると、この1年くらいはほぼ横ばいの売上高がつづいている。前年比でくらべると+12%の成長になるものの、前四半期でくらべると伸び率は+1%にとどまる。つまり、成長が止まった可能性のある事業であり、投資家からの評価が低いと言えるだろう。

■登録ユーザー数と登録企業数は?

 ウォンテッドリーの登録ユーザー数は363万人、登録企業数は3.7万社。こちらもグラフ推移をみると、かなり緩やかな伸びのグラフに見える。また、サービスごとの人数・社数ではなく、すべてのサービスを合算した数であり、マネタイズできているサービスが伸びているかわからない表現方法となっている。

 「Wantedly visit」は会社訪問アプリとしてサービスがわかりやすい。いっぽう、Story(社内報)、Pulse(チームマネージメント)、Perk(福利厚生)は価値がわかりにくい。Story(社内報)の利用企業数は800社にとどまる。どのようなサービスかわかりにくい。最近では、SharePointサイトやブログ形式で提供できるため、どこまで競争力のあるサービスかわかりにくい。

 Pulse(チームマネージメント)は、Slackを通じたメンバーの貢献などの可視化という記載があるがサービス内容・価値がわからない。なお、利用企業数は280社。

 Perk(福利厚生)は、いろいろなサービスの割引サービスとのことであるが、ベネフィット・ワンやWelboxなどと同じような価値を提供している。ただ、規模感などから、どこまでメリットがあるだろうか。

■ウォンテッドリーの財務状況は?

 ウォンテッドリーの2022年11月30日時点の財務状況をみると、現預金は25億円となっている。契約負債(前受金)は5.4億円と有利子負債はゼロとなっている。利益構造的にキャッシュに余裕がある構造になっている。

■ウォンテッドリーの株価推移は?

 ウォンテッドリーの時価総額は約160億円。成長性が20%を超えるのであれば割安であるものの、現在は成長性が大きく鈍化している。すでに高値から3分の1くらいまで株価は下落。ただ、事業モデル的に利益率の高い事業をおこなっているので、新規事業に期待したい。

(画像1)ウォンテッドリーの株価推移

以 上

 

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