会社訪問アプリ「Wantedly Visit」のウォンテッドリー、期待大のサブスクリプション成長モデル!

 会社訪問アプリ「Wantedly Visit」を中心に採用支援のクラウドサービスを展開しているウォンテッドリー(Wantedly)。どのようなビジネスモデルか知らない人が大多数のはずだ。学生、会社員、フリーランスなどの個人ユーザと企業ユーザを結ぶ仕組み(プラットフォーム)を提供し、サブスクリプション型で収益を上げるビジネスモデルとなっている。ウォンテッドリーの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年5月7日時点)

  • 株価:3,430円(10年来高値:5,770円)
  • 時価総額:322億円
  • 予想PER:459倍
  • PBR:24.46倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:59.0%
  • 会計基準:日本基準

■ウォンテッドリーの業績は?

 ウォンテッドリーの2021年8月の第二四半期の売上高は16.4億円(前年同期比+1.9%増)、営業利益4.2億円(前年同期比+122.8%増)の増収増益となった。ウォンテッドリーの営業利益率は+25.6%(前年同期は+11.7%)と大きく改善。ウォンテッドリーは売上総利益を明示しておらず、「営業費用」に一般的な売上原価と販売管理費がすべて含まれている。そのため、ウォンテッドリーの粗利は見えない。

 ウォンテッドリーの売上規模は前年同期比+1.9%しか増加しておらず、営業利益改善の主な要因は、名刺アプリ「Wantedly People」の広告宣伝費△1.3億円の減少の影響が大きい。ウォンテッドリーにとって、ここから売上規模をいかに増やすことができるかが成功のカギとなる。

■ウォンテッドリーの事業内容は?「Wantedly Visit」とは?

 ウォンテッドリーの主力製品はクラウドサービスの会社訪問アプリ「Wantedly Visit」だ。「Wantedly Visit」は主にWeb領域の人材を対象とした採用支援ツール。従業員数100名以下の企業がメインの顧客で、3.9万社が「Wantedly Visit」を使用している。日経新聞などではビジネス交流サイトと呼んでおり、SNS型の採用アプリなど言われていることもある。

 「Wantedly Visit」は企業ユーザ(採用側)と個人ユーザ(応募側)のうち、企業ユーザに課金するビジネスモデルとなっている。課金には基本料金(ストック収益)とオプション(フロー収益)の2つに分かれ、基本料金が売上高の約7割を占めている。クラウド会計のfreee(フリー)、マネーフォワード、「楽楽精算」のラクス、名刺アプリのSansanなどと同じようにストック型のビジネスモデルとなっている。

■つながり管理アプリ「Wantedly People」とは?

 つながり管理アプリ「Wantedly People」はいわゆる名刺アプリ。名刺をスキャンして、名刺交換した人と交流するもの。20代~45歳くらいまでのユーザが利用者の中心で、決算説明資料によると500万人が利用している。現在のビジネスモデルとしてはアプリ内の広告配信による収益と「Wantedly Visit」とのシナジー効果(送客など)を目的としている。

 「Wantedly People」について、すでに名刺管理サービスで先行しているSansan(サンサン)のような営業支援ツールへの布石と思われる。ユーザ数が増えてくれば、営業支援ツールとしての機能を持たすことも十分可能だろう。

■ウォンテッドリーの成長戦略は?期待の新サービスは?

 ウォンテッドリーは3つの新サービスの展開を進めている。1つは「Perk(福利厚生)」というサービスだ。「Perk」は福利厚生パッケージを提供するもので、たとえば、Uber eats、日経新聞、DMM英会話、RIZAP(ライザップ)などを特別価格で提供するサービスだ。イメージとしては、ウェルボックス(Welbox)やベネフィット・ワンのサービスのようなもの。

 もう一つは、「Story(社内報)」というサービス。すでに利用企業は300社を超えている。最後に「Pulse」というマネージメントツール。企業内のチームにおけるコミュニケーションツールのようなもので利用企業は150社を超える。ウォンテッドリーは、「Pulse」の市場規模を72億円と試算している。

■ウォンテッドリーの株価の行方は?

 ウォンテッドリーの時価総額は約320億円。2020年8月期の業績が低迷していたため、2021年8月期は前年同期比で営業利益は大幅増になっている。その点が好感されて、2021年1月以降に株価が急激に高騰している。ただし、問題なのは前年は大幅な広告宣伝費を導入しており、2021年8月期は広告宣伝費を大きく抑えているため、今期の営業利益が大きく改善したように見えること。

 広告宣伝費を除いたベースの営業利益率で見ると、2020年8月期の1Qの営業利益率は+34.5%、2Qは+43.6%。2021年8月期の1Qは+40%、2Qは46.1%と改善はしているものの、極端な変化はない。もっとも心配なのは、ウォンテッドリーの売上高の伸びが前年比ほぼ横ばいになっている点だ。2021年3Qで前年同期でそれほど広告宣伝費を投入していないため、引き続き営業利益の伸びを見せることができるか。ウォンテッドリーは新しいことにチャレンジする企業であり、今後の更なる成長に期待したい。

(画像1)ウォンテッドリーの株価推移

以 上

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