長期・積立・分散」の資産運用をテクノロジーのチカラで自動でおこなってくれる「WealthNavi(ウェルスナビ)」を運営しているウェルスナビ。運用者数は38.3万人、従業員数160名、預かり資産の成長率は+34%と堅調に成長しているロボアドバイザー。地方銀行中心に提携パートナーを増やし、安定成長は続く。今後の業績と株価の行方は?
預かり資産4,000億円突破のウェルスナビ、広告宣伝費除きで営業利益は黒字に!(2021年5月22日投稿)
国内NO.1のロボアドバイザー、資産運用のウェルスナビ(WealthNavi)の株価の行方は?(2021年2月21日投稿)
■基本情報(2023年11月17日時点)
- 株価:1,504円(10年来高値:4,740円)
- 時価総額:742億円
- 予想PER:1,489倍
- PBR:6.17倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:42.4%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:29,374人(2022年12月31日時点)
■ウェルスナビの業績は?
ウェルスナビの2023年12月期の第三四半期の売上高は58.9億円(前年比+22.6%増)、営業利益5.3億円(前年比+290%増)の増収増益。ウェルスナビは売上総利益を開示していない。
ウェルスナビの四半期の営業収益をみると、順調に売上高を拡大し、現在は22億円レベルまで拡大。年間の広告費は20億円を超える水準であり、実力的には年間売上高80億円、営業利益は15億円前後、営業利益率18%くらいではないだろうか。しかしながら、いまの時価総額750億円レベルは相当先の成長まで織り込んでいると言える。
■預かり資産の簿価と時価
ウェルスナビの預かり資産は2023年9月末時点、時価9,284億円、簿価7,532億円となり、多くの人が含み益の状況だ。2024年1月から新しいNISA制度がスタートすることにより、運用資産を増やす大きなチャンス。
■同業他社は?
ウェルスナビ以外にロボアドバイザーはどのようなところがあるのか?楽天証券は「楽ラップ」、SBI証券は「SBIラップ」、THEOとドコモは「THEO+docomo」がメジャーだ。いまのところ、ウェルスナビがトップを独走中だ。
■ウェルスナビの財務状況は?
ウェルスナビの2023年9月末時点の財務諸表をみると、現預金は172億円、預託金93億円となっている。負債は、預り金140億円、長期借入金15億円となっている。ウェルスナビは2020年12月22日に東証マザーズに上場。2021年11月に海外募集で約28億円を調達している。財務的には健全だ。
■ウェルスナビの株価推移は?
ウェルスナビの時価総額は約750億円。いまの時価総額は将来的な成長をかなり織り込んでいる。心配されるのは、株式市場の動向で、顧客の投資熱が冷める可能性がある点だ。積み立て、分散投資はリスクを低減した資産形成手段であるものの、投資家が簿価割れをほとんど経験したことがないのが最大のリスク。簿価を割れる水準になっても継続して投資を続けられるかどうかが、ウェルスナビの成長を続けられるかどうかのポイントだ。
以 上