管理部門や士業に特化した人材紹介のMS-Japan(6539)、コロナショックで株価下落の先は?!

管理部門や士業に特化した人材紹介のMS-Japan(6539)、コロナショックで株価下落の先は?!

 経理財務、人事総務、法務など企業の管理部門や税理士・会計士などの士業に特化した人材エージェントで事業の拡大をつづけるMS-Japan(MSジャパン)。これまで順調に成長してきたものの、2020年3月期は新型コロナウイルスの影響により計画未達。株価は下落トレンドがつづく。ただし、営業利益率は40%を超える超高収益率の企業であり、どこかで株価の反転が起こると思われるものの、いったいどこまで株価は下がるのか?

■基本情報(2020年10月16日時点)

  • 株価:804円
  • 時価総額:201億円
  • 予想PER:14.3倍
  • PBR:2.55倍
  • 予想配当利回り:1.86%
  • 自己資本比率:94.1%
  • 会計基準:日本基準

■MS-Japanの業績は?

 MS-Japanの2021年3月期の第一四半期の売上高は8.4億円(前年同期比△12.4%)、営業利益3.4億円(前年同期比△13.5%)と減収減益となった。新型コロナウイルスの影響により企業の経済活動が停滞し、キャリア(中途)採用を一時的にストップしている企業は少なくない。半導体やデジタル・クラウドなどで好調な業界の企業を除いては、足元の業績が悪化し採用を控える動きがでている。いま、あえてキャリア採用を進める必要はないと考えている企業が多いのではないか。

 しかしながら、外出自粛要請のあったビジネス環境のなか、MS-Japanは2020年4月~6月に8.4億円の売上高をあげていることは驚きだ。売上高は前年比マイナスであるものの、高い収益性のため営業利益は3.4億円の黒字で着地となった。最悪期でもしっかり利益をあげれる企業はそれほど多くない。

■MS-Japanのビジネスは?

 MS-Japanは、どのようなビジネスを展開しているのか?MS-Japanは企業の管理部門と会計・法律分野の士業に特化した人材ビジネスを展開している。大きくエージェント事業、メディア事業、HR-tech事業の3つを展開しているものの、エージェント事業が売上高の大部分を占めていると思われる(決算説明資料などで事業別の収益は開示されていない)。

 MS-Japanのエージェント事業は、転職を検討している人に専任アドバイザーがついて、転職までのサポートをおこなうサービスだ。MS-Japanは転職成約時に採用企業から年収の一定割合の仲介手数料を受け取る(転職者から手数料は受け取らない)。競合他社としては、リクルート、パソナ、パーソルが大手として挙げられるが、小さな仲介会社は山のように存在する。

 MS-Japanの2020年3月期の売上高は40.9億円と成約単価(一人)250万円(前提として設定)で計算すると、年間で1,600人ほどの仲介をしている計算になる。MS-Japanの人材紹介新規登録者数は年間約1.9万人であり、その10%ほどの転職をサポートしていると思われる。

■MS-Japanの今後の行方は?

 MS-Japanがいま、力をいれているのは「Manegy(マネジー)」というビジネスメディアだ。月間の最高PV(Page view数)は267万ビューを突破。このメディアを入り口に、自社の人材エージェントへの登録を促す狙いだ。「Manegy」を見ると、かなりお金と時間をかけたコンテンツになっており、いままでの広告の代替というような位置づけだろうか?メディア単独の黒字はむずかしいと思われる。

■MS-Japanの魅力は?

 MS-Japanの魅力は何か?MS-Japanはコロナ禍でビジネスが少し停滞しているものの、高い収益性が魅力的だ。従業員の一人当たりの売上高は右肩あがりをつづけており、この傾向は簡単には崩れないはずだ。MS-Japanは企業の管理部門と会計・法律分野の士業に特化してきたが、仲介領域の拡大の余地はある。引き続き、クラウドやデジタルなどIT関連の需要は伸びていくため、この分野に進出すれば、さらなる売上高の拡大を期待できる。

■MS-Japanの株価の行方は?

 MS-Japanは一時、時価総額600億円まで上昇したものの、現在の時価総額は200億円ほど。人材サービス関連の株価は全体的に下落トレンドがつづいている。2012年からスタートしたアベノミクスによる景気拡大が終わり、新型コロナウイルスの影響により先が見えない経済状況を株価が先に織り込んだ形だ。MS-Japanは従業員数160名ほど、設備投資も不要で固定費は低く、赤字になりにくいビジネスモデルだ。

 あとは転職市場がここから拡大するかどうかだが、MS-Japanには事業領域の拡大余地が大きい。コロナショックによる落ち込みを抜ければ、再び成長軌道に乗るのではないだろうか。引き続き、注目したい企業のひとつだ。株価指標的には割高感はまったくない。すでに株主優待として、ウィルズのプレミアム優待倶楽部を実施しており、無借金で現預金60億円以上を持っており、増配余地も大きい。

(画像5)MS-Japanの株価推移、下落トレンドがつづく

以 上