IoTプラットフォームの「SORACOM」を展開していて、ソラカメなどさまざまなIoT機器のハブを提供しているデジタル企業。2025年2月13日に決算発表し、翌日は約10%の大幅下落。グロース企業であるものの、スポット販売部分の売上高が伸びず、成長していないように見える。個人株主からは投げ売りが殺到した。今後のソラコムの業績と株価の行方は?
IoTプラットフォームのソラコム、筆頭株主はKDDIのビッグベンチャー企業!(2024年12月28日投稿)
■基本情報(2025年2月14日時点)
- 株価:1,188円(10年来高値:2,460円)
- 時価総額:536億円
- 予想PER:173倍
- PBR:5.56倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:77.2%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:6,145人(2024年3月31日時点)
- 事業価値:451億円
■ソラコムの業績は?
ソラコムの2025年3月期の第三四半期の売上高は57.0億円(前年比+4.6%増)、営業利益1.2億円(前年は+6.4億円)と増収減益。ソラコムの売上総利益率は+57.6%(前年は+60.4%)、営業利益率は+2.2%(前年は+11.8%)と悪化している。
ソラコムの売上総利益は前年の32.9億円→32.8億円と△0.1億円の悪化、販管費は前年の26.5億円→31.6億円と△5.1億円の悪化となり、営業利益は前年の6.4億円→1.2億円と大きく悪化した。
ソラコムの説明としては、IoTデバイスなどの大型のインクリメンタル収益(スポット売上高)がズレたためとの説明になっているが、前四半期も同様の説明となっている。
■ソラコムの事業状況は?
IoTデバイス販売などのインクリメンタル収益が苦戦している。リカーリング収益につながるものであり、2024年度はインクリメンタル収益が前年比での悪化が目立つ。また、売上総利益率が悪化していることが気になる。また、売上総利益額が増えていない。
ソラコムの販管費は人件費を中心に大きく増加しており、従業員数は前年の148名→179名と大きく増えている。
ソラコムのグローバル売上高比率は年々改善しており、現在は47.8%まで向上。米国や欧州での評価は好調だ。
■ソラコムの財務状況は?
ソラコムの2024年12月末の財務諸表をみると、現預金は93億円。負債は、有利子負債が7.5億円。契約負債(前受金)は9.3億円となっている。財務的には健全だ。
■ソラコムの株価推移は?
ソラコムの時価総額は約530億円。思ったほど株価は下がらなかったものの、決算の内容は良くない。インクリメンタル収益が増えないと、今後のリカーリング収益も伸びないからだ。いったん、株価は1,000円を割るのではないだろうか。

以 上