IoTプラットフォームのソラコム、筆頭株主はKDDIのビッグベンチャー企業!

 IoTプラットフォームの「SORACOM」を展開していて、ソラカメなどさまざまなIoT機器のハブを提供しているデジタル企業。2014年11月設立、従業員数は165名。売上高の成長性は15~25%と著しく高いわけではないものの、リカーリング収益を確実に成長させており、売上高の約7~8割がリカーリング収益となっている。売上総利益率は+60%前後と高い。今後の成長と株価の行方は?

■基本情報(2024年12月27日時点)

  • 株価:1,040円(10年来高値:2,460円)
  • 時価総額:470億円
  • 予想PER:68.4倍
  • PBR:4.86倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:85.2%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:6,145人(2024年3月31日時点)
  • 事業価値:384億円

■ソラコムの業績は?

 ソラコムの2025年3月期の第二四半期の売上高は36.7億円(前年比+14.1%増)、営業利益1.0億円(前年同期は+2.4億円)。ソラコムの売上総利益率は+58.6%(前年同期は+61.3%)、営業利益率は+2.8%(+7.5%)と前年よりも悪化している。

 ソラコムの売上総利益は前年の19.7億円→21.5億円と+1.8億円増で、販管費は前年の17.3億円→20.5億円と+3.2億円の増加となり、差し引きで営業利益は1.4億円の悪化となった。

■ソラコムの事業内容は?

 ソラコムはクラウドベースを前提にしたIoTプラットフォームを提供しているデジタル企業。グローバルな通信インフラを従量課金でサービスを提供しており、「ソラコムエア」というSIMを提供し、IoTデバイスを気軽にクラウドに接続するサービスを提供している。

 データの収集、管理、分析を一元化できるツールも充実。ソラコムは農業、製造業、物流、ヘルスケアなどさまざまな産業で使用可能。クラウド型カメラの「ソラカメ」は小売、店舗業で導入が進んでおり、見守り、巡回業務の効率化、廃棄率の削減などに役立っている。

■心配される昨今の決算

 ソラコムの株価がさえない。2025年3月期の第一四半期と第二四半期をくらべると、ほとんど成長性がないように見える。投資家もネガティブサプライズを受けて、株価は下落・低迷している。

 ソラコムの公開価格は株価870円(現在は、1,040円)、初値は1,563円。初値で買った人は含み損を抱えている。ソラコムはKDDIが大株主で、ソニー、日立製作所なども投資している。

■ソラコムの財務状況は?

 ソラコムの2024年9月末時点の財務諸表をみると、現預金は86億円、固定資産は10億円となっている。負債をみると、有利子負債はゼロで、契約負債(前受金)が7.6億円となっている。財務的には良好だ。

 キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは△2.4億円のマイナス、投資CFは△2.4億円のマイナス、財務CFは株式発行により+12.8億円となり、現預金は+8.6億円の増加となった。

■ソラコムの株価推移は?

 ソラコムの時価総額は約470億円。長期的にはリカーリング収益率85%、売上総利益率65%、営業利益率30%を目指す利益モデル。将来期的に売上高が200億円になったとき、営業利益率は60億円、税後利益は45億円。そこに予想PER20~30倍をかけると、予想時価総額は900~1,350億円くらいは想定できる。流れに乗れば、もっと成長するのではないだろうか。

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする