ゲーム不具合検査のポールトゥウィン、通期では業績下方修正に!

 家庭用ゲームやスマートフォンアプリなどの不具合検査のポールトゥウィンとネット風評監視サービスのピットクルーを傘下に持つポールトゥウィンホールディングス(以下、ポールトゥウィン)。ここ数年で粗利率、営業利益率が大幅に悪化したポールトゥウィン。粗利率は3年前の+28%前後から+23%と5ポイントほど悪化。営業利益率の2ケタは大きく遠のいている。今後の業績と株価の行方は?

ゲーム不具合検査のポールトゥウィン・ピットクルーHD、市況好調で成長つづく(2021年7月11日投稿)

■基本情報(2024年10月4日時点)

  • 株価:442円(10年来高値:1,585円)
  • 時価総額:168億円
  • 予想PER:48.5倍
  • PBR:1.19倍
  • 予想配当利回り:3.61倍
  • 自己資本比率:52.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:5,588人(2024年1月31日時点)
  • 事業価値:141億円

■ポールトゥウィンの業績は?

 ポールトゥウィンの2025年1月期の第二四半期の売上高は243億円(前年比+1.9%増)、営業利益3.6億円(前年比△36.2%減)の増収減益。ポールトゥウィンの売上総利益率は+22.8%(前年は+24.8%)、営業利益+1.5%(前年は+2.5%)と大きく悪化している。

 ポールトゥウィンの売上総利益は前年の54.3億円→55.4億円と+1.1億円の増加、販管費は前年の48.7億円→51.8億円と+3.1億円の増加となり、営業利益は△2.0億円の悪化となった。

 内訳をみると、堅調な国内ソリューションに対してメディアコンテンツ(ゲーム関係)が前年比△5.4億円の業績悪化となった影響が大きい。四半期別に業績を見ていくと、国内ソリューションは堅調であるものの、メディアコンテンツが赤字を垂れ流している状況がつづいている。

 いっぽう、国内ソリューションも売上高が伸びておらず、事業成長は停滞していると言えるだろう。

■ポールトゥウィンの事業状況は?

 ポールトゥウィンはゲーム・システムなどのバグ取りや不具合検査などの事業をしている。競合としては、SHIFTやデジタルハーツなど。国内ソリューションの従業員数は正社員1,400名、アルバイト3,600名を超えており、全体で5,000名を超える体制となっている。今期は一部大型EC案件が終了して、下期の業績が悪化する見込みだ。ゲーム開発は開発予算が高騰しており、開発本数が減少基調になっている。

 海外拠点は円安効果もあった大幅な増収であるものの、人件費高騰などで利益がでない状況が続いている。欧米を中心に人件費・物価の高騰があり、今後も厳しい状況が続くのではないだろうか。

 メディアコンテンツはアニメ制作、VTuber事業の受託など事業を行っているが、売上規模に波がある。なかなか利益がでない利益構造が続いている。

■ポールトゥウィンの概要

 2009年2月設立、2024年1月末時点の従業員数は8,652名(うち、正社員数は3,292名)。連結子会社数は48社。海外に多くの子会社を持つ。

 事業としては、ソフトウェアやゲーム、セキュリティサービスなどのデバッグ(検証)、モニタリング(監視)、サポートを実施。ITサービスの企業であるものの、労働集約型の事業内容となっている。

■ポールトゥウィンの株価推移は?

 ポールトゥウィンの時価総額は約170億円。6年前に株価は最高値を付けたものの、そこから4分の1くらいまで下落している。今後の心配は円高だ。円高になることによって、海外事業が厳しくなる可能性がある。

以 上

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