ECサイトによるユニフォーム販売、ユニフォームネクストの業績は?

 飲食店のユニフォーム、事務服、作業服、レインウェア、医療ウェアなどをインターネットを中心に販売しているユニフォームネクスト。年間売上高は約51億円、正社員110名(パート80名除く)、創業1994年の福井県福井市に本社を置くEC企業。業績は安定しており、設備投資もほぼないためキャッシュがたまる利益構造になっている。ユニフォームネクストの業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2022年2月4日時点)

  • 株価:1,240円(10年来高値:4,290円)
  • 時価総額:31億円
  • 予想PER:13.8倍
  • PBR:1.29倍
  • 予想配当利回り:0.8%
  • 自己資本比率:72.2%
  • 会計基準:日本基準

■ユニフォームネクストの業績は?

 ユニフォームネクストの2021年12月期の売上高は51.1億円(前年比+3.0%増)、営業利益3.5億円(前年比+10.1%増)の増収増益となった。ユニフォームネクストの売上総利益率は+37.2%(前年は+37.6%)、営業利益率は+6.9%(前年は+6.5%)。決算説明会資料は2月9日のアナリスト説明会後に公表としている。

 ユニフォームネクストの販管費は15.5億円(前年も15.5億円)で、過去のIR資料を見ると、人件費5億円、広告宣伝費5億円、発送費2億円が主な支出になっている。ユニフォームネクストは単純なネットショップではなく、自社で物流センターを持ち、在庫管理などしているため人件費が大きくかかっている。

■ユニフォームネクストの事業モデルは?

 ユニフォームネクストの売上高の約9割はネット経由の販売。残りは訪問営業となっている。ユニフォームネクストは売上高の内訳を公表していないため、BtoC、BtoBの売上割合が見えてこない。

 ユニフォーム市場はEC化率が低く、ユニフォームネクストにとってEC化の改善(上昇)が今後のビジネス拡大のポイントと位置付けている。作業服ではワークマンが大きなライバルに該当する。

■IR戦略が悪い?資料が見にくい!

 ユニフォームネクストのIRの弱点としては資料が見にくい。ほとんど決算説明会資料に力を入れていないのか、投資家としては誰に、どのくらい売り上げていて、どこで稼いでいるか知りたい。ユニフォームの分類別の売上高構成など開示されていないし、それぞれのウェブサイトの訪問者数なども開示されていない。

■ユニフォームネクストの株価推移は?

 ユニフォームネクストの時価総額は約30億円。上場直後に時価総額100億円を超えたものの、そこから下落トレンドがつづいている。ユニフォームネクストは黒字を維持しており、財務体質も健全。どこかで上昇トレンドに入ると思われるものの、業績がどこかで大きく伸びる必要がある。

 正直、売上高の内訳が開示されておらず、ユニフォームネクストの将来性を検討することが難しい。医療ウェアではナガイレーベンという白衣の国内シェア60%以上を持つメーカーがあり、ユニフォームネクストも取り扱っている。このナガイレーベンの白衣がどのようなルートで医療機関にわたっており、どこがライバルで、どのように対策するか検討が必要だ。このあたりの戦略が見えれば、今後のユニフォームネクストの成長性を予測することができそうだが、いまのところ十分な開示はない。

 アパレルのEC販売では、ZOZO、Amazon、楽天、ロコンド、クルーズなどネット販売は成長をつづけている。ユニフォームのネット販売もどこかで成長にのるものと思われるものの、いまのユニフォームネクストの課題がよく見えない。まずは、開示から改善してほしいところ。

(画像1)ユニフォームネクストの株価推移

以 上

 

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