「デュオ」など苦戦がつづくプレミアアンチエイジング、挽回の可能性は?

 デュオ(DUO)やカナデル(CANADEL)などクレンジングバームという分野を手掛けるプレミアアンチエイジング。人気タレントの新木優子氏を起用した新CMを2023年11月投入も「デュオ」の挽回には至らず。アンチエイジング事業は苦戦が継続している。カラートリートメントの「クレイエンス」は、宝塚歌劇団出身の檀れい氏を起用。赤字がつづく業績からの回復はあるのか?

クランジングバームのプレミアアンチエイジング、四半期ベースで赤字転落!(2022年6月19日投稿)

業績絶好調のプレミアアンチエイジング、中国本土に「sitrana(シトラナ)」展開!(2021年6月19日投稿)

化粧品「DUO」「CANADEL」のプレミアアンチエイジング、テレビCMで業績拡大!(2021年3月28日投稿)

■基本情報(2024年4月19日時点)

  • 株価:742円(10年来高値:19,190円)
  • 時価総額:65億円
  • 予想PER:赤字
  • PBR:1.09倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:55.7%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:7,088人(2023年7月31日時点)
  • 事業価値:48億円

■プレミアアンチエイジングの業績は?

 プレミアアンチエイジングの2024年7月期の第二四半期の売上高は106億円(前年比△25.3%減)、営業損益は△2.1億円(前年は1.1億円の黒字)と減収赤字転落となった。プレミアアンチエイジングの売上総利益率は+79.7%(前年は+78.3%)と若干改善。

 プレミアアンチエイリアシングの売上総利益は前年の112億円→85億円と△27億円の悪化、販管費は前年の111億円→87億円と△24億円の減少となり、営業利益は△3億円の悪化となり、営業赤字に転落となった。

■プレミアアンチエイジングの事業状況は?

 プレミアアンチエイジングの「デュオ」「カナデル」の主力製品が苦戦している。通信販売は前年の103億円→71億円と前年比△31.6%減、卸売販売も31億円→20億円と前年比△35.7%減と大きく落ち込んでいる。ヒット商品が出ていない状況だ。

 資生堂、コーセーなど大手化粧品会社は売上高こそ何とか維持しているものの、利益の悪化が止まらない。ポーラ・オルビスは何とか踏ん張っている。化粧品関係が落ちている背景は、物価高騰による生活必需品ではない化粧品への出費を抑える雰囲気だ。ロート製薬の1000円程度の安価なスキンケア用品は前年比で伸びている。

■期待されるベネクス!

 プレミアアンチエイジングの売上内訳で唯一「その他」が伸びている。前年同期の8.4億円→16.0億円と+91.2%増。リカバリー事業と呼ばれる「ベネクス」という疲労回復のウェア事業だ。アマゾンなどでも販売されている。

■プレミアアンチエイジングの会社概要は?

 プレミアアンチエイジングは2009年12月に設立された新興企業。従業員数は2024年1月末時点で235人。売上高の約63%はクレンジングバームの「デュオ」、売上高の19%は「カナデル」。ヘアケアブランドとしては「クレイエンス」が全体の9%を占めている。

■財務状況は?

 プレミアアンチエイジングの2024年1月31日時点の財務諸表をみると、現預金は39.4億円、棚卸資産は17億円、有形固定資産は6.5億円、無形固定資産は10.8億円。負債は、有利子負債が22億円、未払金が11億円。自己資本は59億円と健全だ。

 プレミアアンチエイジングのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+38百万円、投資CFは△7.5億円、財務CFは△29百万円。正直、P/Lの損益ほどキャッシュフローは悪くない印象だ。開発していたソフトウェアの減損損失を4.9億円計上しており、損益をうまくコントロールできている。

■プレミアアンチエイジングの株価は?

 プレミアアンチエイジングの時価総額は約65億円。一時は時価総額1,000億円を超えていたものの、暴落したと言ってよいだろう。ほぼ株主は含み損を抱えており、チャートが右肩あがりに見えるまで、様子見が妥当だ。赤字のため株価指数的に割安、割高と判断することはできない。

 しかしながら、化粧品業界が全体的に落ち込んでおり、プレミアアンチエイジング単独の要因とは言い切れない。新型コロナウイルス感染拡大によるマスク文化の広がりなど逆風が起こっている。数年後には市場が回復している可能性は十分ありえるだろう。

以 上

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