未来の自動車を支える第一稀元素化学工業!今後の成長に期待!

 自動車排ガス浄化触媒や燃料電池素材・二次電池(充電式の電池)の材料を開発・製造する第一稀元素化学工業。稀元素(きげんそ)という会社名は読みにくく、一般消費者はあまり聞いたことがない会社名だろう。レアアースを使ってジルコニウム化合物という製造し、自動車排ガス浄化触媒や二次電池材料、家庭用刃物(セラミック関連)に加工して販売している素材メーカー。今後は燃料電池や二次電池に注目が集まる。

■基本情報(2020年5月15日時点)

  • 株価:772円
  • 時価総額:188億円
  • 予想PER:-(新型コロナウイルス影響のため未開示)
  • PBR:0.64倍
  • 予想配当利回り:-(2019年実績で計算すると年間2.6%)

■注目される未来の自動車関連の素材!

 第一稀元素化学工業に注目する理由は、電気自動車(日産リーフ他)や燃料電池車(トヨタのMIRAI他)に使われる電池関連の素材を作っているからだ。電気自動車(EV)は電気で動く自動車、燃料電池車(FCV)は水素で動く自動車。どちらもエンジンではなく、モーターを稼働させる自動車だ。

 電気自動車にはリチウムイオン電池(二次電池)が使われていて、第一稀元素化学工業はリチウムイオン電池の正極材添加材を生産している。この二次電池材料の売上高は右肩あがりで増加している。

 燃料電池自動車には燃料電池スタックというセル(電池のようなもの)の集合体が使われている。そのセルはセパレータと電解質材料があり、その電解質材料を第一稀元素化学工業が生産している。

 電気自動車と燃料電池自動車ともに次世代自動車として、環境負荷の低減(CO2削減)、省エネ(再生可能エネルギーの使用)に寄与する。将来的にはガソリン車から次世代自動車へと切り替わっていく方向だ。

■第一稀元素化学工業の強みは?

 第一稀元素化学工業の強みは、次世代自動車である電気自動車と燃料電池自動車の両方にかかわっていること。どちらの自動車が主流になっても、二次電池(電気自動車)、燃料電池(燃料電池自動車)の素材の提供メーカーとして事業は成長していく。

 現状は自動車排ガス浄化触媒が売上高の60%を占めていて、次世代素材に頼った経営ではない点も安心できる。なお、自動車排ガス浄化触媒は世界シェア40%前後と言われている。

 第一稀元素化学工業の現在の事業規模は、売上高270億円、営業利益は30~50億円。将来の成長性を考えると、現在の時価総額188億円はまだまだ割安な範囲だ。

■第一稀元素化学工業の株価推移は?

 現在の株価は低迷している。2017年9月に天井をつけてから下落トレンドがつづいている。第一稀元素化学工業は自動車事業をメインとしており、自動車業界の低迷を反映した形だ。

 但し、ガソリン車から次世代自動車に切り替わっていくことは見えているので、今後の5年~15年後を考えると、長期の事業成長が期待できる銘柄だ。自動車業界は新型コロナウイルスや景気変動の影響を大きく受けており、まずは株価チャートが横ばいになるまで様子をみたいところ。

以 上

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