「女性だけの30分フィットネス」展開のカーブス!プロテイン販売で経営を支える

 「女性だけの30分フィットネス」としてトレーニング施設を運営しているカーブス(Curves)。2020年3月に株式分配型スピンオフにてコシダカホールディングスから分離して東証一部に上場。カーブスの会員数は64.1万人、店舗数は1,988店舗(国内)、月額会費は6,700円。上場直後から新型コロナウイルスの影響により会員数は激減(休会者含む)。スポーツ施設全般的に苦戦するなか、カーブスの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年4月28日時点)

  • 株価:825円(10年来高値:1,072円)
  • 時価総額:774億円
  • 予想PER:107.5倍
  • PBR:10.25倍
  • 予想配当利回り:0.36%
  • 自己資本比率:21.6%
  • 会計基準:日本基準

■カーブスの業績は?

 カーブスの2021年8月期の第二四半期の売上高は119億円(前年同期比△17.6%減)、営業利益8.7億円(前年同期比△70.8%減)の減収減益となった。カーブスの売上総利益率は+41.7%(前年同期は+42.3%)、営業利益率は+7.3%(前年同期は+20.7%)。販管費が前年比+9億円も増加しており、新型コロナウイルスの影響で会員数が減少したことに対する新規獲得のためのキャンペーンなどの必要と思われる。

 カーブスにかぎらず、スポーツジム関係は会員数が大幅に減少しており苦しい状況がつづいている。しかしながら、カーブスはフランチャイズ展開しており、フランチャイズ店舗からのロイヤリティなどが安定して入ってくるため、新型コロナ禍でも黒字を保つことができた。

■カーブスの売上高の内訳は?会員向け物販が約6割!

 カーブスは自社で店舗展開(直営事業)しているだけでなく、フランチャイズ展開している。そのため、売上高の約23%はフランチャイズ店舗からのロイヤリティで構成されている。売上高の内訳をみると、会員向け物販が売上高全体の約6割を占めている。会員向け物販の約9割以上はプロテインだ。たとえば、「スーパープロテイン・プレミアムプラス」(1か月分)を定期購入価格5,900円(税別)で販売している。

 カーブスはフィットネス事業による月額会費だけでなく、定期購入による物販でもうけるビジネスモデルを築いている。フランチャイズ店舗からのロイヤリティ収入も大きい。カーブスは総合スポーツジムのセントラルスポーツやルネサンス、24時間フィットネスのエニタイムフィットネスなど月額会費をベースに運営しているスポーツ施設とは、まったく異なるビジネスモデルとなっている。

24時間マシンジム特化の「エニタイムフィットネス」、Fast Fitness Japanの業績と株価の行方は?(2021年4月18日投稿)

■カーブスの店舗数は?

 カーブスの現在の店舗数は国内1,988店舗(会員数:64.1万人)。新型コロナウイルスの影響で休会する人が増えているため、閉店を決断した店舗が増えている。セントラルスポーツは全国240店舗(会員数:43.4万人)、ルネサンスは全国172店舗(同:24.5万人)、エニタイムフィットネスは全国872店舗(同:55万人)。スポーツ施設という区分では、カーブスが店舗数と会員数ともにNO1となっている。

■カーブスの会員数の推移は?

 カーブスの会員数は一時、83万人近くまで増えたものの、新型コロナにより大幅に減少。現在は64.1万人となっている。コロナ禍で休会をつづけている会員も数万人いる。

■カーブスの海外展開は?

 実はカーブスは海外でも展開している。現在は161店舗中40店舗のみが営業中だ。残りは休業をつづけている。カーブスは2005年2月にカーブスの世界総本部とマスターライセンス契約を締結し、日本でフランチャイズ展開をスタートした。2011年6月に1,000店舗を突破。2018年3月にカーブスの世界総本部を買収し、2019年7月には欧州FC本部を買収している。カーブスは世界的に展開する権利を保有している。

■カーブスの株価の行方は?

 カーブスの時価総額は約770億円。業績だけをみると割高だ。しかしながら、カーブスは世界展開する権利(ライセンス)を保有しており、海外で成長をつづける可能性は高い。いまだカーブスの株価が本当に妥当なのか、疑心暗鬼の段階ではないだろうか。2021年4月16日の決算発表後は株価は下がっているものの、700円前後が防衛線になりそうだ。

(画像6)カーブスの株価推移

以 上

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