ビッグデータ、AI、RPAのダブルスタンダード(3925)、これからのビジネス、SBIと提携も!

 顧客の課題に対して、ビッグデータ、AI、RPAなどにより解決するサービスを提供しているダブルスタンダード。売上規模は40億円ほどであるものの、営業利益率30%と高収益のビジネスモデルを築いている。ダブルスタンダードの事業内容はわかりにくいものの、金融・不動産関係の顧客を中心にデジタル技術で省力化・自動化を進めるサービスを提供している企業と覚えておけばよい。ダブルスタンダードの株価はコロナショックで一時的に落ちたものの、現在はコロナショック前までの水準に回復。今後の株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年9月4日時点)

  • 株価:4,575円
  • 時価総額:311億円
  • 予想PER:37.2倍
  • PBR:14.51倍
  • 予想配当利回り:0.87%
  • 自己資本比率:85.2%
  • 会計基準:日本基準

■ダブルスタンダードの業績は?

 ダブルスタンダードの2021年3月期の第一四半期の売上高は8.9億円(前年同期比+21.0%)、営業利益は1.8億円(前年同期比△28.4%)と増収減益、営業利益率は+20.6%。減益の理由として、売上高拡大(トップライン増大)に向けた外注費増や人員増強により費用が増えたため、と説明している。人員増が減益の要因であれば、固定費増として営業利益率の落ち込みは一時的なものではない可能性があるので注意が必要だ。2021年3月期も大幅な売上高の増加を計画しており、右肩あがりで事業規模は拡大している。

2021年3月期は売上高40.5億円(前年比+10.4%)、営業利益12.5億円(前年比+13.5%)、営業利益率30%を計画している。当初計画より下期に売上高・利益とも偏重する予想であり、現時点では計画どおりに進んでいると公表されている。

■ダブルスタンダードの事業内容は?

 ダブルスタンダードはビッグデータを扱う会社というイメージはあるものの、具体的にどのようなサービスを提供しているのだろうか?たとえば、ビッグデータ活用としては、顧客の競合企業についてウェブ情報を分析して、ダブルスタンダードの情報整理技術により競合他社の顧客リストを作成を手助けする。顧客はその顧客リストをもって営業活動をすることができる。

 PDF化されているデータについて、OCR自動識別によりデジタルデータを整理することをダブルスタンダードが手助けする。世の中で有料・無料でPDFのOCR自動識別ソフトは市販されているものの、ダブルスタンダードは市販されているもの以上の精度の情報を提供することができる。また、金融機関ではオンラインでの口座開設やサービス開始を進めており、ダブルスタンダードがサービスを提供していることが公表されている。

 ダブルスタンダードの顧客は金融・不動産関係が多い。SBIグループと資本提携したことにより、地銀連携をすすめるSBIグループより業務を取り込むことが期待されている。ちなみに、SBIグループはダブルスタンダードの約17%の株を所有している。2020年3月にはSBI証券やSBIネオモバイル証券のオンライン口座開設支援が公表されている。2019年10月にはSBI損保の自動車保険のリアルタイム見積りサービスにダブルスタンダードがサービスを提供している。

■ダブルスタンダードの株価の行方は?

 ダブルスタンダードは上場以来、右肩あがりの上昇トレンドがつづいている。ビッグデータ、AI、RPAなど最新用語と関係するビジネスを展開しているダブルスタンダード。数年前であればRPAなどを実際に導入している企業はそれほど多くなかったものの、ここ1~2年で企業にかなり浸透してきたように感じている。事務作業でRPAを活用している大手企業は少なくないはずだ。

 将来的にはオンラインで今以上にできることが増えていくことが見込まれており、ダブルスタンダードのサービスが広まっていくことが予想される。ただし、ダブルスタンダードの収益構造が公表資料(決算説明資料など)からは読み取れないので、IR資料の充実には今後期待したい。あとは市場規模がどのくらいになるか現時点では見えてこない。売上高100億円規模が限界か、1,000億円を目指せる事業なのか、見極めが必要だ。

(画像3)ダブルスタンダードの株価推移、右肩あがりがつづく

以 上

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