「Clould CIRCUS(クラウドサーカス)」のスターティアHD、テレビCM効果の行方は?

 指原莉乃さんを活用した「Cloud CIRCUS」のテレビCMが印象的なスターティアホールディングス(以下、スターティアHD)。スターティアHDは、ストック型の売上高の拡大に注力し、クラウドサービスのソフトウェア「Cloud CIRCUS」に力を入れているIT企業。しかしながら、売上規模は前年同期で停滞気味で、テレビCMなどの影響で営業減益となっている。スターティアHDの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年3月5日時点)

  • 株価:1,091円(10年来高値:1435円)
  • 時価総額:112億円
  • 予想PER:-(赤字予想)
  • PBR:2.32倍
  • 予想配当利回り:0.91%
  • 自己資本比率:62.7%
  • 会計基準:日本基準

■スターティアHDの業績は?

 スターティアHDの2021年3月期の第三四半期の売上高は92.9億円(前年同期比+0.6%増)、営業利益0.1億円(前年同期は+3.6億円)の増収減益となった。スターティアHDの売上総利益率は+44.6%。売上規模は前年同期とかわらないものの、販管費が前年より+4億円ほど増加しており、営業減益となった。2020年11月よりスターティアHDが注力するクラウドサービスの「Cloud CIRCUS」のテレビCMをスタートし、広告宣伝費が大幅に増加したことが要因だと思われる(販管費の内訳は公表されていない)。

■テレビCM投下の影響は?

 スターティアHDの決算資料を読むと、テレビCM放映中にサイト訪問数が大きく増えたようだ。指原莉乃さんの印象的なテレビCMをみると、「どのようなサービスの会社なのだろうか?クラウドサーカスとは?」と気になってしまう。

■「Cloud CIRCUS」とは?

 「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」とは、どのようなサービスなのか?主にWebマーケティング関連であるウェブサイト作成ツール(CMS)やデータベース構築の機能や、ARアプリ作成ツールや電子ブック・動画共有などコンテンツ作成ツールなどの機能をクラウドで提供するサービスだ。内容をみるかぎり、BtoB的なサービスのようだ。

 当初はパイプドHDの「スパイラル」やサイボウズの「kintone(キントーン)」のようなオフィスツールをイメージしたものの、実際のところはWebマーケティング・コンテンツ作成ツールをパッケージしたものとなっている。

■スターティアHDの事業内容は?

 スターティアHDは、デジタルマーケティング事業とITインフラ事業の2つのセグメントにわけている。デジタルマーケティング事業は「Cloud CIRCUS」の開発・販売で全体の約3割の売上規模となっている。ITインフラ事業は、「中小企業の情報システム部門を請け負う」という趣旨のビジネスで、複合機、クラウドファイルサーバー、ネットワーク構築・保守、オフィスデザインなどを行っており、全体の約7割の売上高となっている。

 スターティアHDは「Cloud CIRCUS」にテレビCMなど資金を投入しているものの、事業を支えているのはITインフラ事業というのが実態だ。

■スターティアHDの株価の行方は?

 スターティアHDの時価総額は約110億円。売上高推移をみると、ほぼ横ばいの状況だ。いま売り出している「Cloud CIRCUS」がヒットすれば、株価は一気に急騰するものの、いまのところ売れ行きは手探りの状況だ。ただし、テレビCMを打つ財務的な余裕があることと、スターティアHDとしてもテレビCMを展開するほど「Cloud CIRCUS」に自信がある点は評価すべきところ。引き続き、注目したい企業のひとつ。

(画像6)スターティアHDの株価推移

以 上

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