前四半期比で減収のウォンテッドリー、成長鈍化が株価に反映か?

 「気軽に会社訪問」をできるような仕組み「Wantedly VISIT」を提供しているウォンテッドリー(Wantedly)。女性の仲暁子さんが社長で有名な企業。四半期比で売上高の推移をみると、成長性が大幅に鈍化している。フロー収益(オプション)の部分が伸びていない影響が大きい。ここから業績と株価の巻き返しなるのか?

「Wantedly VISIT」のウォンテッドリー、採用と従業員定着に貢献するビジネス!(2023年2月26日投稿)

ビジネスSNSのウォンテッドリー(Wantedly)、加速的に利益拡大!(2022年7月18日投稿)

■基本情報(2023年8月10日時点)

  • 株価:1,498円(10年来高値:5,770円)
  • 時価総額:142億円
  • 予想PER:16.7倍
  • PBR:4.89倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:71.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:994人(2022年8月31日時点)

■ウォンテッドリーの業績は?

 ウォンテッドリーの2023年8月期の第三四半期の売上高は35.8億円(前年比+7.6%増)、営業利益12.3億円(前年比+30.5%増)の増収増益。四半期ごとに約4億円を超える営業利益を出しており、営業利益率は30%を超えている。いまのウォンテッドリーにとって、売上高をいかに増やすかが大きなポイントだ。登録ユーザー数は377万人と着実に増加、登録企業数も3.9万社となった。

■ウォンテッドリーの業績目標は?

 ウォンテッドリーの2023年8月期の業績予想は、売上高49.5億円(前年比+10.1%増)、営業利益15.5億円(前年比+23.8%)、1株あたりの当期純利益(EPS)は90.5円となっている。

 このEPSを予想PER20~30倍で試算すると、予想株価は1,810円~2,715円となり、現在の株価1,500円が割安であることがわかるだろう。

■ウォンテッドリーの財務状況は?

 ウォンテッドリーの2023年5月31日時点の財務諸表をみると、現預金は34.1億円、敷金が1.4億円となっている。負債は、有利子負債ゼロで、契約負債(前受金)が5.9億円計上されている。財務状況はきわめて健全だ。

■ウォンテッドリーの株価推移は?

 ウォンテッドリーの時価総額は約140億円。成長性は鈍化しているものの、高い収益性の企業であり、ビジネスモデルの継続して稼ぐ力を考慮すると、株価指標的には割安感がある。ウォンテッドリーの従業員数は104人、平均年齢29.9歳と若く、平均年収は681万円と高い。

 なお、取締役(社外取締役は除く)は2名で、2022年8月期の報酬は2名で3,500万円で、1人あたり1,750万円とそれほど高くない。上場企業によっては、創業者ではないものの、企業規模がそれほど大きくなくても1億円ちかい報酬を受け取っている取締役もいることを考えると、まっとうな経営者と言えるだろう。今後の成長に引き続き、期待したい。

(画像1)ウォンテッドリーの株価推移

以 上

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