「ドラゴンクエストウォーク」が大ヒット中のコロプラ(colopl)。もともとは2013年の「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」と2014年の「白猫プロジェクト」の大ヒットで一時、時価総額が6,000億円を超えていたコロプラ。現在の時価総額は約1,200億円ほどで好業績にもかかわらず株価の戻りは遅い。今後のコロプラの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年1月8日時点)
- 株価:961円
- 時価総額:1,246億円
- 予想PER:-(業績予想は未定)
- PBR:1.62倍
- 予想配当利回り:未定(2020年9月期ベースでは2.6%)
- 自己資本比率:88.3%
- 会計基準:日本基準
■コロプラの業績は?
コロプラの2020年9月期の売上高は451億円(前年比+16%増)、営業利益は123億円(前年比+314.9%増)の大幅な増収増益だった。とくに2019年に投入した「ドラゴンクエストウォーク」(DQウォーク)のプラス要因が大きく、一気に利益が改善した。ゲーム会社は大ヒットのタイトルが出ると、大きく損益が改善するため、業績の行方はヒットタイトルに大きくかかっている。コロプラの売上総利益率は約40%前後と高い水準を維持している。
■コロプラのリリース時期別の売上高!
コロプラの業績を支えているのは、2019年の「ドラゴンクエストウォーク」、2014年の「白猫プロジェクト」、2013年の「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」などだ。モバイルゲーム銘柄はヒット作品をうまく運営することにより、継続的に課金収入を得ることができる。課金収入と運営費用のバランスを取りながら、どこまで黒字収益を引っ張るかがポイントだ。
長期のリリース時期別売上推移をみると、コロプラの業績のピークは2015年~2016年。この時期に株価も大きく上昇し、高値でつかんだ株主の換金売上がいまも株価の上昇を抑えている側面がある。
■コロプラの費用構造は?
コロプラはApple(アップル)やGoogle向けのアプリ決済手数料(プラットフォーム利用料)の負担が大きい。これはコロプラにかぎらず、iPhoneやandroidへの手数料については、スマートフォンを活用したモバイルゲーム会社が負担せざる得ない費用だ。コロプラは売上規模と比較して著作権利用料にあたるロイヤリティ負担は低い。コロプラは自社作品である「白猫プロジェクト」などのタイトルの売上比率の大きいことが影響している。
アカツキやgumi、Aimingなどの同業他社は、他社IP(intellectual property、知的財産権)の「ドラゴンボール」や「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などのタイトルを使用しているため、スクウェア・エニックスやバンダイナムコなどにロイヤリティを支払う比率が大きい。
■コロプラのタイトルは?
コロプラの従業員数は約1,500名。現在のモバイルゲームのパイプライン(開発中の新作)は10本(自社IP:6本、他社IP:4本)ある。2021年9月期に3~4本のリリースを目指している。「白猫プロジェクト」や「ドラゴンクエストウォーク」につづく、大ヒットタイトルが出てくるかどうかにかかっており、業績予想は非開示となっている。
■コロプラの株価推移は?
コロプラの時価総額は約1,200億円。年間の営業利益額が123億円で、営業利益率が25%を超えている優良企業の評価としては低い。コロプラにかぎらず、モバイルゲーム銘柄の株価(企業価値の)評価は低く、次の資金の流れがテーマ株として入るまで安値で拾っていく段階かもしれない。
いまの株式相場は世界的な金融緩和と財政支出の影響で、クラウド関係のIT企業、電気自動車関係、再生エネルギー関係(バイオ発電、太陽光発電など)、半導体関係などに資金が流れている。モバイルゲーム銘柄は業績の変動が大きく、安定的な企業成長になるケースは少ないものの、コロプラ、アカツキ、gumi、KLab(クラブ)などは技術力の蓄積と現預金比率を高めながら企業価値を増やしている。つぎのテーマの流れがモバイルゲーム銘柄に来るまで、焦らず待ちたいところ。
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以 上