「パズル&ドラゴンズ」のガンホー、家庭用ゲーム機向けも充実!株価の行方は?

 「パズル&ドラゴンズ」や「ラグナロクシリーズ」を中心にスマートフォンゲームや家庭用ゲーム機向けゲームを展開するガンホー・オンライン・エンターテイメント。「パズル&ドラゴンズ」が大ヒットした2013年~2015年の勢いはないものの、引き続き安定的に高い収益を出している。しかしながら、2013年5月に株価16,330円(時価総額:約1.5兆円)をつけてから、右肩さがりの株価チャートがつづいている。ガンホーの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年1月8日時点)

  • 株価:2,413円
  • 時価総額:2,297億円
  • 予想PER:11.6倍
  • PBR:1.79倍
  • 予想配当利回り:1.24%
  • 自己資本比率:80.9%
  • 会計基準:日本基準

■ガンホーの業績は?

 ガンホーの2020年12月期の第三四半期の売上高は676億円(前年同期比△17.6%減)、営業利益191億円(前年同期比△25.3%減)の減収減益となった。2019年1Qに売上高が大きく伸びた結果、その反動として2020年12月期の業績が前年対比マイナスで表示されている。四半期ベースでみると、2019年4Qから少しずつ売上高が回復傾向にあるものの、前年同期比プラスになるまでには至っていない。

 ガンホーの売上総利益率は50%~65%(2016年~2020年)で推移しており、最近は売上総利益率が低下傾向にある。営業利益率も20%~45%(2016年~2020年)で推移し、低下傾向となっている。

■ガンホーの四半期ベースの業績推移は?

 ガンホーの売上高は、子会社であるGravity(グラビティ)を含めた連結ベースとなっている。Gravityは韓国のゲームソフト開発会社で「ラグナロクオンライン」を開発した会社だ。もともとGravityは2005年にソフトバンクグループの子会社となったものの、2008年4月にガンホーが子会社した。

 ここ2年ほどの業績をみると、ガンホーの業績に占めるGravityの貢献が大きいことがわかる。2020年7月より「Ragnarok Origin」をApp Store(アップル)とGoogle Play(グーグル)で展開し、好調な売上ランキングを維持している。2020年10月からは「Ragnarok X:Next Generation」を台湾・香港・マカオで配信し、売上ランキングで1位を獲得した。引き続き、Gravityは「ラグナロクシリーズ」を中心に新作パイプライン(新タイトル)の準備を進めている。

■ガンホーは家庭用ゲーム機向けも多い!

 ガンホーはスマートフォンゲームだけでなく、家庭用ゲーム機向けの任天堂スイッチ(Nintendo Switch)やPlayStation4、ニンテンドー3DSなどに「パズドラシリーズ」や「ニンジャラ」など新しいゲームソフトを販売している。スマートフォン向けでは「TEPPEN」(2019年7月発売)、「ラグナロク マスターズ」(2019年6月発売)、「妖怪ウォッチ ワールド」(2018年6月発売)などを展開している。

 同業他社のコロプラ、アカツキ、gumi、Aimingなどがスマートフォン向けに特化している一方、ガンホーは家庭用ゲーム機向けにも手を伸ばしている。ガンホーは売上高の内訳を開示していないため、具体的にどのゲームタイトル・ゲーム方式(家庭用またはスマートフォン向け)で売上高を計上しているか開示資料からは読み解くことができない。

■Nintendo Switch向けの「ニンジャラ」も!

 ガンホーと言えば、「パズドラシリーズ」か「ラグナロクシリーズ」というイメージであるが、Nintendo Switch向けで「ニンジャラ」を発売。スマートフォン向けは有料課金により長く運営することにより収益を計上しつづけることができるものの、家庭用向けは購入してもらわなければ売上高をあげることができない。「ニンジャラ」がヒットした場合、モバイルゲームへの横展開も想定されるが、その行方はどうなるのか?

■ガンホーの株価推移は?

 ガンホーは「パズル&ドラゴンズ」の大ヒットにより、2013年5月に最高値の16,330円(時価総額:1.5兆円)をつけてから右肩さがりがつづいている。現在の時価総額は約2,300億円。ガンホーの筆頭株主は自社で28.7%を保有している。ガンホー自身も株価を上げたい想いは読み取れるものの、成長性に期待がもてず資金が入ってこない状況だ。ガンホーは優良企業で予想PERは約11倍で割安感は大きい。

 株価が上昇トレンドになれば、ここから数倍になる可能性はあるものの、つぎの大ヒット作品の出現を待たなければならないかもしれない。2020年2月~3月のコロナショックのような暴落相場がきた場合、安定的で割安なガンホー株を購入するのはよいかもしれない。ゲーム銘柄は大ヒットがでれば一気に業績が向上するため、人気タイトル「パズドラシリーズ」と「ラグナロクシリーズ」を持つガンホーは将来的な上昇が期待できる。

(画像5)ガンホーの株価推移、2013年5月が株価のピーク

以 上

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