四半期利益が黒字化、フードテックのベースフードの成長シナリオ継続!

 完全栄養食のパンである「BASE FOOD」を製造・販売しているベースフード。定期購入で税込180円前後で販売している栄養価の高いパン。20代~40代をターゲットに販売を伸ばしており、コンビニでも気軽に購入できるようになった。リテールの販売の伸びが高く、ついに四半期利益が黒字に。今後の業績と株価の行方は?

コンビニ販路も拡充のベースフード、売上高の成長が大きい!今後の行方は?(2023年7月16日投稿)

完全栄養の主食という「BASE FOOD」販売のフードテック、ベースフードの行方は?(2023年4月22日投稿)

■基本情報(2023年10月13日時点)

  • 株価:763円(10年来高値:824円)
  • 時価総額:401億円
  • 予想PER:赤字
  • PBR:30.95倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:39.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:8,628人(2023年2月28日時点)

■ベースフードの業績は?

 ベースフードの2024年2月期の第二四半期の売上高は81.1億円(前年比+76.9%増)、営業利益△1.3億円(前年は△3.8億円)と増収赤字幅の縮小となった。ベースフードの売上総利益率は+50.5%(前年は+56.8%)と悪化しているものの、1Qの+49.2%から2Qは51.6%と改善している。

 ベースフードの売上総利益は前年の26.0億円→41.0億円と+15億円の増加、販管費は前年の29.8億円→42.2億円と+12.4億円の増加となり、営業利益は+2.6億円の改善となった。

■値上げにもかかわらず売上増!

 ベースフードの1Q→2Qの業績をみると、原価率は50.8%→48.4%と+2.4ポイントの改善。販管費も59.4%→45.8%と+14.4ポイントの改善となった。値上げが大きく影響している。

 また、広告宣伝費は1Qで9.8億円だったものの、7.2億円と△2.6億円の削減をしており、この影響が大きい。

■気になるリテール部門

 大手コンビニでもベースフードを購入できるようになり、すでに4.9万店舗で購入できる。コンビニの配荷率は81%まで上昇しており、ここからはそれほど上昇は起こらないのではないだろうか。

 気になるのは、1店舗あたりの月の売上高は約8,800円。1日あたり約290円で、コンビニで1個か2個しか売れていない。大手コンビニで配荷できている理由がよくわからない。それほど商品が回らないものを販売するメリットがわからない。今後はドラッグストアやスーパーなどにも導入を目指すはずだ。

■ベースフードの財務状況は?

 ベースフードの2023年8月31日時点の財務諸表をみると、現預金は22億円、売掛金10億円。負債は、有利子負債は5.3億円、買掛金6.3億円。ベースフードは2022年11月15日に東証グロースに上場し、上場時に約25億円を調達している。この資金のため、財務的には健全さを維持している。

■ベースフードの株価推移は?

 ベースフードの時価総額は約400億円。上場時の公開価格が1株800円で、現在の株価763円から考えると、もう少しで公開価格を上回りそうだ。ただ、成長性はあるものの、時価総額400億円であれば、1株あたりの利益(EPS)は20円くらいはほしい。EPS20円と予想PERを20倍~25倍で計算すると、理論株価は400円~500円となる。

 なお、EPSが20円になるには当期利益10億円くらいは必要だ。つまり、現時点の株価は営業利益14億円、当期利益10億円くらいは織り込まれていると言えるだろう。ここから投機マネーで株価が上昇していく可能性あるものの、半値くらいまで下落してもおかしくはない。

(画像1)ベースフードの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする