家賃保証サービスのCasa(カーサ)、コロナウイルス影響で貸倒引当金増加!

 家賃保証サービスを提供しているCasa(カーサ)。新型コロナウイルスの影響により、家賃を滞納する人が増えた影響で家賃保証額が増加し、その結果、貸倒繰入金額が前年比+39.3%増加したため増収減益となった。Casaの家賃保証は最長24カ月保証するため、滞納家賃に対する保証額(求償債権)はこれから1年増加する可能性がある。Casaが保証する保証残高に対する求償債権(滞納家賃)の比率は9%前後となっている。Casaの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年3月12日時点)

  • 株価:964円(10年来高値:1,660円)
  • 時価総額:107億円
  • 予想PER:19.9倍
  • PBR:1.43倍
  • 予想配当利回り:3.11%
  • 自己資本比率:50.8%
  • 会計基準:日本基準

■Casaの業績は?

 Casaの2021年1月期の売上高は102億円(前年比+8.4%増)、営業利益10.3億円(前年比△32.3%減)の増収減益となった。Casaの売上総利益率は+59.4%、営業利益率は+10.1%。売上高は堅調に増えているものの、新型コロナウイルスの影響による経済状況の悪化により家賃を滞納する人が増えた。その結果、Casaの貸倒引当金繰入額は前年比+6.9%の増加となった。もうひとつは、販管費が+4億円増えたことにより営業利益は大きく減少した。

■Casaのビジネス内容は?

 Casaはどのようなサービスをしているのか?Casaはアパートなどへの入居者に対して家賃保証サービスを提供している。昔はアパートを借りる場合は親族などの連帯保証人をつけることが多かったが、最近ではCasaのような家賃保証会社による保証が一般的だ。入居者が家賃保証会社に賃料の数パーセントの保証料を支払う形。

 同業他社では全保連、日本賃貸保証、日本セーフティー、ジェイリース、イントラスト、SBIギャランティなどがある。だいたい、月額賃料の24カ月を最長で保証するのが一般的だ。Casaでは保証している家賃の約10%前後の滞納が発生している。Casaが入居者にかわり大家(オーナー)に立て替えて支払った求償債権は39億円まで増加している。この39億円以外で、すでに回収不能として処理しているものもある。Casaにとって経済状況の悪化により家賃を滞納する人が増えているのが問題だ。

■2021年1月度は減益予想!?

 Casaの2021年1月期の業績予想をみると、売上高103億円、営業利益8.3億円と前年比減益の予想となっている。減益の要因としては、人員増加(+32名)や新システム費用増などの販管費の増加が要因だ。この2年間で売上規模はそれほど変わっていないものの、販管費が+6億円ほど増加しているのはイマイチ納得がいかない。通常の企業であれば、売上規模がそれほど変わらないなかで、人員をどんどん増やしていくのは合理的な経営判断ではないだろう。

■Casaの株価の行方は?

 Casaの株価は低迷している。社長のパワハラ発言などの影響で事業とは直接関係ない理由で株価は大きく水準を下げてしまった。現在は新型コロナウイルスの影響による家賃滞納などで業績は足踏み状態であるものの、ビジネスモデルとしては安定的に利益を出せる仕組みとなっている。心配な点は売上規模の成長が前年比プラス1ケタ台になっている点だ。新型コロナウイルスが収まり、再び海外からの就労者が入ってくれば、持ち直す可能性に期待したい。

(画像4)Casaの株価推移

以 上

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