ZOZO創業者の前澤友作氏が日本人の民間人宇宙飛行士として宇宙に滞在し注目を集めた。そのZOZOの業績はソフトバンクグループに入っても成長がつづいている。PayPayモールの2022年3月期の売上高目標は330億円で、ロコンドなどの他の上場会社の規模を上回る水準。ZOZOの業績と株価はどのようになるのか?
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を展開するZOZO(3092)、今後の株価の行方は?(2020年5月23日投稿)
■基本情報(2022年1月28日時点)
- 株価:2,806円(10年来高値:4,875円)
- 時価総額:8,745億円
- 予想PER:25.2倍
- PBR:19.42倍
- 予想配当利回り:1.96%
- 自己資本比率:39.3%
- 会計基準:日本基準
■ZOZOの業績は?
ZOZOの02022年3月期の第三四半期の売上高は1,238億円(前年同期比+14.1%増)、営業利益388億円(前年比+14.8%増)の増収増益。ZOZOの売上総利益率(商品取扱高と比較)は+34.1%(前年同期は+34.2%)、営業利益率(商品取扱高と比較)は+11.4%(前年は+11.2%)と10%超となっている。
ZOZOをはじめとしたEC通販サイトを事業としているロコンド、クルーズ、ヒラキやカタログ通販という形態を行うスクロール、ベルーナ、トランザクション、千趣会(ベルメゾン)などは営業利益率+10%が大きな壁になっている。商品取扱高が4,000億円を超える規模のZOZOの営業利益率が+10%を超えていることはスゴイ。物流センタなどネット通販の仕組み化が他社を圧倒していることが大きな理由だ。
■ZOZOの事業状況は?
ZOZOの2022年3月期の第三四半期の商品取扱高は3,755億円(前年同期比+23.4%増)、その商品取扱高から受託販売などは手数料分だけを売上計上するため、売上高としては1,238億円(前年同期比+13.6%増)となっている。
これだけの商品を取り扱っていながら、商品・製品残高は20億円前後しか保有していないので、ZOZOとしての商品の陳腐化リスクはほとんどない状態だ。とにかくリアル店舗が苦戦する小売業界で、売れるプラットフォームである「ZOZOTOWN」に業者が集まるのは必然なのかもしれない。売れるプラットフォームとして、年間の購入者数は1,000万人を突破。リアル店舗であったなら、お店にお客さんが殺到している状況だ。
■増え続けるZOZOTOWNショップ数!
「ZOZOTOWN」のショップ数は1,500ショップを突破。コロナ禍でショップの増加スピードも加速している。「ZOZOTOWN」の1,000万人の顧客の内訳をみると、71%は女性(男性は29%)、関東が全体の40.5%と大きく締め、10代~30代の若い世代がメインの会員層だ。
■2022年3月の計画は?
ZOZOの2022年3月の計画は、商品取扱高4,728億円、売上高、1,626億円、営業利益478億円を計画している。前年比+10%を目標とした成長率になっているものの、現在の進捗であれば上振れしてくる可能性が高い。
ZOZOの事業を支えるのは、千葉、茨城にある5つの大きな物流拠点。2022年4月から千葉で新たに物流拠点が再開し、2023年2月には茨城で新しい物流拠点を新設する予定だ。事業リスクとしては千葉と茨城に偏った物流拠点となっており、効率は良いものの、地震などの自然災害への事業リスクは大きいことに注意が必要だ。
■ZOZOの株価推移は?
ZOZOの株価推移をみると、当面は調整が続きそうだ。ZOZOで心配されるのは国内マーケットでのEC通販の市場規模の限界。すでにZOZOは大きな市場シェアを占めており、ここから年率+10%を超える成長をつづけていく場合、あたらしい領域での事業拡大が必要になるタイミングが出てくるだろう。たとえば、家具・家電、日常品などの製品領域の拡大や金融・IT関係の新しいサービスへの展開など。
ただし、ここから株価が3~5倍と成長する可能性はそれほどないのではないだろうか。すでに規模が大きく、成長性を先取った株価になっていることに留意が必要だ。
以 上