「まるっとシリーズ」のラストワンマイル、新生活ライフラインサービス提供!

 引越し後の新生活に必要になる電気、ガス、WiFiなどの手続き変更などをワンストップで請け負う「まるっとシリーズ」を展開しているラストワンマイル。光通信出身の社長が設立したサービス企業だ。業績は堅調であるものの、成長性がそれほど高くなく、株価は上場来安値を更新中。ラストワンマイルの株価と業績はどうなるのか?

事業内容の全体像が見えない巨大企業の光通信(9435)、ストック利益で安定成長!(2020年12月19日投稿)

■基本情報(2022年1月28日時点)

  • 株価:995円(10年来高値:3,020円)
  • 時価総額:27億円
  • 予想PER:13.1倍
  • PBR:2.2倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:44.4%
  • 会計基準:日本基準

■ラストワンマイルの業績は?

 ラストワンマイルの2021年11月期の売上高は83.2億円(前年比+15.2%増)、営業利益2.2億円(前年比+276%増)の増収増益。ラストワンマイルの売上総利益率は+62.9%(前年は+60.9%)、営業利益率は+2.6%(前年は+0.8%)。

 売上高は80億円規模であるものの、ビジネス構造的に低収益になる事業モデルとなっている。いかに収益性をあげられるかが株価成長のポイントになる。

■ラストワンマイルの事業内容は?

 ラストワンマイルは不動産会社と提携しており、たとえば、大東建託と提携している。物件契約のタイミングで、ライフライン(電気、ガス、宅配水、インターネットなど)を顧客に提案・代行するサービスを提供している。

 現在は電気やガスなどは自由化されており、かならず大手電力会社などと契約しないといけないわけではない。これらの新しい契約を結ぶタイミングでラストワンマイルが送客や代行をすることで手数料を稼ぐビジネスモデルとなっている。

 宅配水は光通信グループが手掛けており、さまざまなサービスで光通信の事業を幅広く展開する営業会社のような位置づけと考えてもよいかもしれない。

■ストック型売上率は?

 ラストワンマイルの売上高内訳をみると、ストック型売上高比率は41.3%(前年は36.0%)と毎期、改善している。「まるっとシリーズ」がどこまでストック型売上高比率に貢献しているかわからないものの、決算説明会資料には「まるっとシリーズ」の顧客数増加により安定基盤であるストック型の利益が増加、と記載されている。

 ラストワンマイルの主要KPIである「サービス流通数」は16.9万と前年の12.7万から大きく改善。さまざまな送客・仲介の数の増加をKPIとしている経営スタイルだ。

■ラストワンマイルの株価推移は?

 ラストワンマイルの時価総額は27億円。グロース銘柄が中心の東証マザーズ指数が年初から20%くらい下落しており、ラストワンマイルもその流れに巻き込まれている。ラストワンマイルにとって現在の株価が割高か割安か判断しにくい状況だ。

 どのようにしてストックビジネスで稼ぐビジネスモデルかわからないため、このまま成長がつづくか判断できない点が多い。売上高の内訳をみても、フロー売上高により大きく売上高は増減するため、安定して成長していく企業か見極めがつかないのが現状だ。

 ただし、東証マザーズは割高なITサービス銘柄を中心に株価は大きく下落しており、それに伴い、上場直後のラストワンマイルの株価も上場高値から3分の1まで下落している状況。相場が落ち着くと、ラストワンマイルの実力的に30~50億円くらいまで株価は戻る可能性が高いことに留意しておいてよいかもしれない。

(画像1)ラストワンマイルの株価推移

以 上

 

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