医療情報サイト「Medical DOC」のGENOVA、スマート簡易自動受付精算機の販売も!

 医療情報サイト「Medical DOC」やクリニック向けのスマート簡易自動受付精算機(セルフ精算レジ)の販売などを行うGENOVA。2005年設立、従業員数は290名の成長企業。一般利用者向けに医療情報の無料配信を実施して閲覧者を獲得し、医療機関向けの基幹情報を有償制作・配信をするビジネスモデル。GENOVAの業績と株価の行方は?

■基本情報(2023年5月2日時点)

  • 株価:1,310円(10年来高値:1,996円)
  • 時価総額:231億円
  • 予想PER:22.9倍
  • PBR:6.91倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:73.6%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:ー

■GENOVAの業績は?

 GENOVAの2023年3月期の第三四半期の売上高は44.9億円、営業利益は10.6億円。GENOVAの売上総利益率は+72.9%、営業利益率は+23.6%。GENOVAの売上総利益は32.7億円、販管費22.1億円で差し引きで営業利益は+10.6億円となった。

■GENOVAの事業内容は?

 GENOVAのことを知らない人は少なくないだろう。メディカルプラットフォーム事業(いわゆるメディア事業)とスマートクリニック事業(病院向けの自動精算機の販売)を行っているヘルスケア関連の会社だ。エムスリー、ケアネット、メドピアなどと同じようなヘルスケアITサービスとハードを販売している会社。

医薬DXで成長するケアネット、製薬業界は「人」から「DX」に!(2022年2月12日投稿)

ヘルスケアIT企業のメドピア、業績は絶好調も株価は調整に!(2021年5月15日投稿)

医療関連サービスのエムスリー、業績にプラス作用するコロナ禍(COVID-19)(2021年1月18日投稿)

 全体売上高の約61%はメディア事業、残りの30%はスマートクリニックによるものだ。粗利率が高く、利益率が良い会社で、成長性も高く、株価に期待ができる。

■GENOVAのメディア事業とは?

 GENOVAは「Medical DOC」という医療メディアを運営している。かなり豊富な記事を医師が監修しており、違法になることのないように注意している。医療機関には有償制作記事を受託しており、そちらで制作費・広告費を稼ぐ仕組みだ。利益率が高いのが特徴。

 GENOVAはホームページの制作からスタートした会社で、2017年頃から医療メディア事業をスタート。ここ数年でページビュー数が大きく伸びて存在感がでている。現在の医療メディアの記事数は8,771記事で、2025年4月には約1.5万記事を目指す。おそらく、GENOVAの社員や外注業者が記事を執筆して、現職の医師が監修する仕組みだと思われる。そのため、記事本数は企業のメディアとしては、それほど多くない。

 記事の内容は、新型コロナなどの医療関連ニュース、病気・症状などの監修記事、闘病体験記事など。有料で受託するのは医療機関の紹介記事などだ。

■GENOVAのスマートクリニック事業とは?

 GENOVAのスマートクリニック事業は、「MONOCA-Stand」「MONOCA-Regi」など医療機関に特化した自動精算機、セルフ精算レジを企画・販売・保守をしている。医療機関とのつながりを生かして、医療機関にハードソフトを販売するビジネスモデルだ。

 GENOVAはメディア事業、ハード事業ともに成長しているのが特徴。将来的には更に事業領域の拡大を期待できるかもしれない。

■GENOVAの財務状況は?

 GENOVAの2022年12月末時点の財務諸表をみると、現預金は34億円、有利子負債は11百万円と財務はきわめて健全だ。特徴的なのは、自動精算機というハードを販売しているものの、在庫金額がゼロである点だ。完全な受注・生産・販売の流れを確立していると思われる。

 GENOVAの2023年3月期の第二四半期時のキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+4.3億円と利益7.0億円に法人税支払い△3.0億円、投資CFは△71百万円、財務CFは有利子負債の返済などがあり△1.1億円となり、現預金の増減は+2.5億円となっている。GENOVAは、事業モデルとしてほとんど投資が不要なビジネスモデルであり、キャッシュを増やしやすい利益構造になっている。

 GENOVAは2022年12月23日に東証グロース市場に上場。公開価格は株価1,800円(時価総額:304億円)だったものの、初値は1,760円(時価総額:297億円)と公開価格割れとなった。上場にともない、資金調達を17億円実施し、既存株主は46億円を現金化している。

■GENOVAの株価推移は?

 GENOVAの時価総額は約230億円。成長性と収益性を考えると、勢いで時価総額が500~700億円くらいまで上昇する可能性はあるものの、最近はグロース銘柄の評価がさがっており、時価総額150億円くらいまで下落する可能性もある。

 医療情報サイトの「Medical DOC」は、まだそれほど知名度が高くなく、そのうち、スマートニュースなどで取り上げられるのではないだろうか?知名度が広まると、さらに株価の後押しになるかもしれない。

(画像1)GENOVAの株価推移

以 上

 

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