総合ネットセキュリティサービスのイー・ガーディアン、事業領域を幅広くサーポート!

 サイバーセキュリティ、ソフトウェアのデバッグ(検査)、カスタマーサポートなどネットサポートの事業領域を幅広く展開しているイー・ガーディアン(E-Guardian、以下、イーガーディアン)。裏方の仕事のため、知名度もそれほど高い企業ではないものの、高成長・高収益の企業。1998年5月設立、従業員数は連結で2,441名(非正規は2,053名)。イーガーディアンの業績と株価の行方は?

■基本情報(2023年1月13日時点)

  • 株価:2,574円(10年来高値:4,825円)
  • 時価総額:268億円
  • 予想PER:15.1倍
  • PBR:3.98倍
  • 予想配当利回り:1.01%
  • 自己資本比率:77.0%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:5,906名(2022年9月30日時点)

■イーガーディアンの業績は?

 イーガーディアンの2022年9月期の売上高は117億円(前年比+18.3%増)、営業利益22.7億円(前年比+15.4%増)の増収増益。イーガーディアンの売上総利益率は+32.5%(前年は+35.6%)、営業利益率は+19.3%(前年は+19.8%)と若干低下傾向となっている。

 イーガーディアンの売上総利益は38.2億円(前年は35.4億円)で、販管費が15.5億円(前年は15.7億円)と販管費を抑制したこともあり、営業利益は22.7億円と前年比+3億円の増益となった。ただ、思っていたよりも売上総利益率(粗利率)が低い。もう少し、利益率が高いビジネスかと思っていた。

■イーガーディアンの事業内容は?

 イーガーディアンは、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アドプロセス、サイバーセキュリティと大きく4つのセグメントに分けている。

 ソーシャルサポートが全体の約半分の売上高を稼いでいる。ソーシャルサポートは監視領域として掲示板などのテキスト監視、画像・動画監視、不正取引監視などを担っている。また、カスタマーサポート領域として、問い合わせ対応、本人確認(eKYC)、加盟店審査、SNS運用代行サービスなどを実施している。イーガーディアンのイメージに合うのはネット監視という事業内容だろう。

 ゲームサポートは顧客問い合わせ対応、国内・海外の進出サポートなどを実施している。アドプロセスは、広告審査代行(動画広告など成長中)がメイン。CARTA HOLDINGSとの合弁会社がある。広告の運用サポートも実施。サイバーセキュリティは、ウェブサイトのセキュリティとして「SiteGuard Cloud Edition」というWAF(Web Application Firewall)を提供している。

 つまり、イーガーディアンは、ネットのセキュリティ、顧客サポートを中心に事業領域を拡大している企業だ。

■イーガーディアンの財務状況は?

 イーガーディアンの2022年9月30日時点の財務諸表をみると、現預金は49.5億円、有形固定資産は6.0億円、無形資産は6.7億円とかなり身軽な資産状況となっている。現預金をたっぷり持っているものの、固定資産投資はほとんどしていない。有利子負債はゼロと、財務状況はきわめて健全だ。

 イーガーディアンは8年連続の2ケタ成長となっている。2014年度は売上高24.7億円だったものの、2017年には売上高50.6億円、2020年には売上高77.8億円、2022年は117億円とはじめて100億円台に到達。営業利益も右肩あがりで伸びている。

■イーガーディアンの株価推移は?

 イーガーディアンの時価総額は約270億円。正直、割安だ。売上総利益率が50%を超えていたら、時価総額は1,000億円前後となっていてもおかしくないだろう。グロース銘柄では売上総利益率が高い企業のほうが、高い時価総額がつく傾向がある。

 同業他社としては、アディッシュがネット監視などの分野で取り組んでいるが、まだまだ規模が小さい。ソフトウェアデバッグでは、Shiftなど成長企業がたくさんある。ネット監視や顧客サポート、ソフトウェアデバッグでは労働集約型事業である面が大きく、イーガーディアンの従業員も2,000名を超えている状況だ。今後は従業員の確保も課題として出てくるかもしれない。

ネット上のカスタマーサポートのアディッシュ、ストック型で安定成長!(2023年1月8日投稿)

(画像1)イーガーディアンの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする