オイシックス・ラ・大地、宅配3事業の広告費増で減益に!

 Oisixなどの宅配食料キットなどの通販事業をおこなっているオイシックス・ラ・大地(以下、オイシックス)。新型コロナウイルス感染拡大時の2020年から大きく業績をのばし、現在も堅調に売上高は増えている。いっぽう、営業利益率+10%を超えることができず、営業利益は前年同期比マイナスとなってしまった。オイシックスの株価と業績はどうなるのか?

コロナ禍で成長するオイシックス・ラ・大地、株価高値更新中!(2021年7月4日投稿)

オイシックス・ラ・大地(3182)、成長する食品宅配会社!(2020年5月23日投稿)

■基本情報(2022年1月7日時点)

  • 株価:2,950円(10年来高値:5,220円)
  • 時価総額:1,121億円
  • 予想PER:35.9倍
  • PBR:5.02倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:41.5%
  • 会計基準:日本基準

■オイシックスの業績は?

 オイシックスの2022年3月期の第二四半期の売上高は562億円(前年同期比+18.1%増)、営業利益33.5億円(前年同期比△15.8%減)の増収減益となった。オイシックスの売上総利益率は+49.1%(前年同期は+50.4%)、営業利益率は+6.0%(前年同期は+8.4%)と営業利益率はなかなか+10%を超えれない状況だ。

 事業構造的に、野菜などの原価や発送費などの変動費を考慮すると、営業利益率+10%超過はなかなか難しいのかもしれない。

■堅調なOisix事業!

 オイシックスは国内宅配事業(3ブランド)、国内宅配事業(その他)、海外宅配事業の大きく3つの柱の事業をおこなっている。

 主力のOisixは会員数34.8万人とコロナ前から+10万人の増加となった。とくに「Kit Oisixコース」の会員数は21万人と堅調に増加している。「Kit Oisixコース」はお試しセットがあり、たしかに簡単にオシャレな料理が作れることが確認できる。一度お試しセットを試すと、何度もセールスの電話がかかってくるので、積極的なプロモーションを行っている現状が見えてくる。

 残りの大地を守る会、らでっしゅぼーやは会員数はほぼ横ばい。国内宅配事業(3ブランド)を支えているのはOisix事業そのものだ。

■他社EC支援の事業

 オイシックスは他社のECを支援している。三越伊勢丹HDのEC宅配事業の「ISETAN DOOR」やNTTドコモの「dミールキット」だ。宅配事業のOEM事業という形だろうか。

 もう一つは、移動スーパーマーケット事業として、「とくし丸」という事業だ。142社のスーパーマーケットと提携し、全国42都道府県で事業を行っている。イトーヨーカドー、いなげや等の大手とも提携している。

■オイシックスの株価推移は?

 オイシックスの株価は天井をつけて約3分の2くらいまで下落している。オイシックスにかぎらず、グロース銘柄は米国のインフレ加速によるグロース銘柄の株価下落を反映している状況だ。

 オイシックスの時価総額は約1,200億円で、ここから20%~30%くらい調整する可能性があることに注意が必要だ。もちろん、グロース市場の状況が変われば、ここから50%くらい上昇する可能性は十分ありえる。そのことにも留意が必要だ。

(画像1)オイシックスの株価推移

以 上

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