オイシックス・ラ・大地(3182)、成長する食品宅配会社!

 有機野菜などのカタログ食品宅配などを展開するオイシックス・ラ・大地。新型コロナウイルスの影響の外出自粛により、食品の宅配は絶好調。この機会に新たなユーザーを獲得し、更なる成長を続けることはできるか?Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやの主要3事業をメインに展開する通信販売事業。株価は足元の好調を受けて上昇中。どこまで株価上昇はつづくのか?

■基本情報(2020年5月22日時点)

  • 株価:1,946円
  • 時価総額:737億円
  • 予想PER:61.4倍
  • PBR:5.3倍
  • 予想配当利回り:0%

■オイシックス、伸びる事業と停滞する事業!

 オイシックス・ラ・大地は、Oisix(オイシックス)と大地を守る会、らでぃっしゅぼーやの3社が経営統合した会社。2019年度の決算説明資料をみると、成長をけん引しているのはOisixだ。売上高でみると、Oisix(358億円、前年同期比+21%)、大地を守る会(105億円、同△3%)、らでぃっしゅぼーや(150億円、同△9%)とOisix以外は前年割れ。限界利益でもOisix以外は前年同期比マイナスの状況だ。

 大地を守る会の会員数は、2018年6月には4.4万人いたものの、2020年3月には3.7万人まで減少。らでぃっしゅぼやも、2018年6月には7.5万人いたものの、2020年3月には5.7万人まで減少していて反転の兆しは見ない。いっぽう、OisixのKit Oisixコース(セット販売)の会員数は好調で、2018年6月の8.0万人から2020年3月には15.0万人まで右肩あがりで増加している。

■オイシックス、生活習慣を変えられるか?

 オイシックス全体をみると堅調に成長しているように見えるものの、食品通販すべてが伸びているわけではない点に注意が必要だ。新型コロナウイルスによる外出自粛により宅配需要が増加し、月あたり6億円の売上高増加となった。心配されるのは、一時的な需要の高まりで終わってしまう点だ。このチャンスを生かし、しっかりと消費習慣に宅配を生活の一部にできるかどうかが問われる。

■のれん等の無形資産が大きい!

 オイシックスの業績自体は好調なものの、決算書のB/S(バランスシート)をみると心配される点が目につく。オイシックスはそれほど有利子負債(借入金)が大きくなく、財務的には健全であるものの、無形固定資産(のれん、その他)が合計42.3億円(2020年3月末時点)計上されている。

 のれん自体は、5年~8年で償却をすすめているものの、競合の出現などにより事業が苦戦した場合、のれんの減損リスクが残る。最近はM&Aで事業を拡大する企業も多く、株式市場でもその積極的なM&Aが評価されるケースは少なくない。しかしながら、事業がいったん傾くと、株式市場はいっきに減損リスクを織り込むことが多いので注意が必要だ。

■オイシックスの株価推移は?

 オイシックスの株価推移は堅調だ。2018年12月にいったん株価の天井をつけたものの、2020年3月からは反発がつづいている。新型コロナウイルスの影響により外出自粛を機に、継続してくれるユーザーを確保できるかが株価上昇継続のカギになる。

以 上

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