ゲーム業界に特化した開発人財(クリエイター)の人材派遣をしているコンフィデンス。クリエイター派遣配属数は816名と前年同期比+101名増と増えており、ストック型で利益が積み上がる仕組み。設備投資が不要で、利益がそのままキャッシュに転換できることも強い。今後のコンフィデンスの業績と株価の行方は?
■基本情報(2023年5月1日時点)
- 株価:1,860円(10年来高値:4,120円)
- 時価総額:86億円
- 予想PER:14.3倍
- PBR:4.57倍
- 予想配当利回り:2.58%
- 自己資本比率:70.7%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,615人(2022年3月31日時点)
■コンフィデンスの業績は?
コンフィデンスの2023年3月期の第三四半期の売上高は38.6億円(前年比+19.0%増)、営業利益7.4億円(前年比+31.3%増)の増収増益。コンフィデンスの売上総利益率は+35.3%(前年は+34.4%)、営業利益率は+19.2%(前年は+17.4%)と高い。
コンフィデンスの売上総利益は前年11.2億円→13.6億円と+2.4億円の増加、販管費は前年5.5億円→6.2億円と+0.7億円の増加。営業利益は差し引き+1.7億円の増加となった。売上総利益率が+30%台と粗利をしっかり確保していることに加えて、人材サービス事業で人件費以外のよけいな経費が少ないのが特徴だ。
■コンフィデンスの事業内容は?
コンフィデンスはクリエイターをゲーム業界に人材派遣することが主力サービスだ。いわゆる人材派遣業で、ゲーム業界に特化しているのが強みであり、特徴だ。自社メディアのGAMEMO(ゲーメモ)という遊んだゲームのステータスを記録できるサービスを展開しているものの、規模が小さく、ほぼ人材派遣事業と言ってよいだろう。
利益構造としては、派遣単価×クリエイター派遣配属数×粗利となっており、いかに数多くのクリエイターを企業に派遣するかがポイントであり、アデコ、パソナ、リクルート、パーソルなどと同じ事業モデル。今後はメタバースやNFTなどの新しい事業領域も広まっており、対象マーケットが成長する可能性があることがポイントだ。
現在は派遣だけでなく、紹介派遣、受託などのクロスセルで顧客への売上高を拡大しようとしている。
■増える競合他社!生き残れるか?
コンフィデンスにかぎらず、人材派遣のライバルとなるのは、正社員採用、フリーランス、プロシェアリングサービスなどの業務委託だ。現在、コンフィデンスの派遣者数は約800名。
コンフィデンスの年間売上高は52億円であり、800名で計算すると、1人あたり650万円の利益(粗利)を稼いでいる計算になる。顧客から1か月あたり100万円くらいの人件費を徴収し、クリエイターには50万円くらいを渡している計算になる。
■コンフィデンスの財務状況は?
コンフィデンスの2022年12月末の財務諸表をみると、現預金は19億円となっている。いっぽう、有利子負債は45百万円にとどまり、財務的には極めて健全だ。
2023年3Qのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+5.7億円、投資CFは△48百万円、財務CFは配当金△2.7億円を含む△3.4億円となり、現預金は+1.8億円の増加となっている。自己資本比率は70.7%と高い。
なお、コンフィデンスは2021年6月に東証マザーズに上場。公開価格は1,760円(時価総額:80億円)、初値は2,911円(時価総額:132億円)だった。公開に伴い調達資金は約5.5億円とそれほど多くなく、新拠点の開発費用や人材採用に投資すると資金使途を開示している。
■コンフィデンスの株価推移は?
コンフィデンスの時価総額は約86億円。人材サービス関係は安定的に成長するケースが多く、パソナやMSジャパンなど高収益を維持している。いまの株価から考えると、当期の1株あたり利益は130円であり、PER20倍で計算すると2,600円、成長性を加味してPER30倍で計算すると3,900円となる。いまの株価約1,900円で計算しても伸びしろはある。
管理部門・会計法律に特化した人材紹介のMS-Japan(MSジャパン)、配当性向100%に!(2022年11月13日投稿)
以 上