EC型のスキルマーケットプレイスのココナラ(coconala)、成長重視で赤字継続!

 EC型のサービス(スキル)マーケットプレスの「coconala」やIT人材の業務委託エージェント「coconala Agent」、そして「coconala法律相談」を展開しているココナラ。フリーランスを中心に自由な働き方が増えており、会社員も副業をする人が増えている。ココナラはそのような層にチャンス(機会)を与えるビジネスを行っている。

スキルのマーケットプレイス「coconala」運営のココナラ、成長も広告負担が重い!(2023年2月23日投稿)

「スキル」のマーケットプレイス運営のココナラ、成長つづくも株価は低迷に!(2022年8月27日投稿)

■基本情報(2023年5月2日時点)

  • 株価:366円(10年来高値:2,899円)
  • 時価総額:87億円
  • 予想PER:赤字
  • PBR:4.57倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:43.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:11,198人(2022年8月31日時点)

■ココナラの業績は?

 ココナラの2023年8月期の第二四半期の売上高は22.0億円(前年同期比+22.8%増)、営業損益△1.5億円(前年同期は△4.5億円の赤字)と増収赤字幅の縮小という結果。

 ココナラの流通高は2Q単体でみると、35.5億円(前年同期は30.2億円)と+17.6%増、売上高は11.1億円(前年同期は9.1億円)と+21.8%増となっている。売上高の内訳をみると、ココナラ法律相談が前年同期比+40.7%増と増えているものの、売上規模が0.9億円→1.3億円と非常に小さい。

 ココナラの売上高推移を見ると、FY2022の1Qは8.8億円、3Qは10.0億円、FY2023の1Qは10.9億円、2Qは11.1億円と伸びが鈍化している。

■ココナラのテイクレートの推移

 ココナラのテイクレート(流通高と売上高の比率)は、26%~27.5%前後を推移している。ここのテイクレートは安定しており、それほどブレるビジネスモデルではない。

 気になるのは購入ユニークユーザーがFY2023の1Qで16.2万人だったものの、2Qで15.6万人と大きく下がっていること。あきらかにサービスの転換になっている可能性が高い。

■ココナラの販管費は?

 ココナラは売上総利益、販管費を区分せずに表記しているので、業績の実態が掴みづらい。販管費(営業費用)は広告宣伝費により大きく四半期別で上下する。FY2023の第二四半期までで広告宣伝費を約7億円つかっており、言い換えると、広告宣伝費抜きベースでは営業利益は+5億円ほどになっている。

 ココナラのようなビジネスモデルでは、多少赤字になっても、固定客をいかに早くつかむかがポイントだ。リカーリングモデルという循環取引を促すビジネスモデルのため、赤字になっても将来の売上のベースとなる顧客を増やしたい。経営的に言えば、赤字になることで法人税などを大きく抑制でき、キャッシュフロー的にはプラスに作用する。

■ココナラの従業員数は?

 ココナラのFY2023(2Q)の従業員数は183人。プロダクト開発が110人と大きく、カスタマーサポートが39人とつづく。気になるのは、前1Qの従業員185人から△2人と減少になっている点。

■ココナラの業績見通しは?

 ココナラのFY2023の業績見通しは、流通高159億円(前年比+25%増)、営業収益(売上高)48億円(前年比+25%増)を目指す。2Qまでの累計で営業収益の伸び率は+22.8%と目標に未達の状況。いかにトップラインを伸ばすかがポイントになる。

 ココナラの収益性の将来像として、FY2025以降で営業利益を黒字にもっていく計算だ。なお、営業利益率は30%をターゲットにしている。

■ココナラの財務状況は?

 ココナラの2023年2月末時点の財務状況は、現預金30.6億円、投資有価証券5.2億円。有利子負債はゼロで、前受金5.7億円、預り金8.9億円となっている。財務的には健全だ。

 ココナラのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは△58百万円のマイナスで純損失△1.8億円が大きく影響している。投資CFは投資有価証券△1.6億円とベンチャーキャピタルを設立して投資していることが影響。財務CFは+3.0億円となり、現預金の増減は+10百万円となっている。

■ココナラの株価推移は?

 ココナラの時価総額は87億円。現時点で営業利益が赤字であり、投資家としてはいつ利益を出せるのか、と考えている人も多いだろう。気になるのは成長性だ。現時点、前年比で+20%台で推移しているものの、20%を割ってしまうと期待感が大きく後退してしまう。広告宣伝費を削減すれば利益はでるものの、成長性は一気に停滞してしまうだろう。

 ココナラに注目するのは、現時点でも流通高が100億円を超えるビジネスであり、すでに成功している事業領域と言えるだろう。将来的には在庫や設備などの投資もそれほど必要なく、キャッシュを生み出しやすいビジネスと言える。

 ただ、当初投資した人にとっては株価は数分の1まで下落しており、含み損を抱えている人が多いだろう。規模は小さいものの、個人投資家が1万人を超える銘柄であり、なかなか株価は上がらないかもしれない。

(画像1)ココナラの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする