長期ビジョン「VISION 2031」発表のスマレジ、3年間は減益覚悟の投資!

 iPhoneやiPadなどのタブレット端末を活用したクラウド型POSレジサービスを提供しているスマレジ。東芝テックやNECなどのハードウェアメーカーが独占していたPOSレジ市場にソフトウェアサービスを主体としたPOSレジサービスを提供しているスマレジ。メインターゲットは中規模(2~39店舗)の店舗を狙い、国内市場の14%の市場シェアを目標としている。スマレジの業績と株価の動向はどうなるのか?

POS市場の国内トップを目指すスマレジ、iPad・iPhoneアプリを活用したPOSシステムを提供!(2021年3月13日投稿)

■基本情報(2021年6月11日時点)

  • 株価:5,380円(10年来高値:6,830円)
  • 時価総額:526億円
  • 予想PER:106.4倍
  • PBR:14.97倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:81.7%
  • 会計基準:日本基準

■スマレジの業績は?

 スマレジの2021年4月期の売上高は33.2億円(前年比+2.3%増)、営業利益8.5億円(前年比+12.6%増)の増収増益となった。スマレジの売上総利益率は+62.0%(前年は+59.1%)、営業利益率は+25.4%(前年は+23.1%)と改善している。

 スマレジは実店舗にサービス提供しているため、新型コロナウイルスの影響により導入店舗数の増加が鈍化している影響が売上高の伸びにでている。現在の登録店舗数は9.6万店舗、有料契約で利用している店舗は1.9万店舗となっている。有料店舗率は20.3%まで上昇している。有料・無料問わず、実際に稼働しているアクティブ店舗数は2.5万店舗と前年同期比+2.3ポイントの改善となった。

■スマレジの事業内容は?

 スマレジはクラウド型のPOSレジサービスの提供をおこなっている。現在のPOSレジサービスは料金の精算だけでなく、売上分析や在庫管理などとも連携させることが可能だ。スマレジの課題としては、従来のPOSレジサービスの枠組みにとらわれることなく、連携させるオプション・サービスを増やして、スマレジの価値を向上させていくことが大きな課題だ。そのために、「スマレジ・アプリコンテスト」というものを実施し、大賞賞金は1,000万円の大会を開催している。

 POSレジの枠のとらわれず、ネットショップとの連携や在庫管理・顧客情報管理などとの連携など幅広い用途まで展開されていくものと思われる。現在の「スマレジ4」は開発パートナー企業は法人292社、個人152名で、公開アプリ数は27個となっている。Uber Eats(ウーバーイーツ)や無料ネットショップ作成支援サービスのBASEとの連携やLINEを活用した会員管理など使用用途の多角化を図っている。

■スマレジの売上構成は?

 スマレジは月額課金のクラウドサービスの売上高比率が55.7%、その他の関連機器の販売などが44.3%となっている。クラウドサービス(SaaS)の粗利率は83.6%である一方、関連機器の粗利率は34.6%と低い。いかにスマレジのPOSレジサービスを普及させ、クラウドサービスの規模を拡大していくかが重要な課題となっている。

 スマレジはリアル店舗にPOSレジサービスを提供しているだけで、リアル店舗の売上高の増減は損益には影響しない。新型コロナウイルスの影響により落ち込んだのは関連機器売上で、クラウドサービスの落ち込みはそれほどなかった。

■スマレジの株価の行方は?

 スマレジの時価総額は約500億円。2021年4月期の第三四半期時点までは売上高・営業利益ともに前年割れをしていたものの、なんとか前年を上回る結果となった。その背景には、2020年2月~4月のリアル店舗へのPOSレジサービス導入にともなう関連機器の売上が落ち込んだことが大きい。

 スマレジは、個人的には当面は前年比2ケタ成長をつづけていくと思っていたものの、あっさりと前年割れまで起こってしまった。これからの成長を期待していたものの、正直、自分の生活圏を見渡した時にiPhoneやiPadを活用したPOSレジを使用していることを見る機会はほとんどない。スマレジは中期ビジョンとして2031年4月期までに30万店舗のアクティブ店舗数を目指すとしているものの、現在の2.4万店舗からの乖離が大きく、本当に実現できるのか疑問点がつく。

 人々のライフスタイルがリアル店舗からインターネットショッピングに移り、コンビニ、食品スーパーや大手チェーン店での飲食以外では、それほどリアル店舗を使う機会が少なくなっている。スマレジの目指す未来がなかなか想像できなくなっている・・・・ような気がするが、どうなるのか?NECなどのハードウェア主体のPOSレジメーカーも「NECモバイルPOS」という従来のハードとソフトを組み合わせた製品も展開している。ますます市場競争ははげしくなりそうだ。

(画像1)スマレジの株価推移

以 上

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