作業着・カジュアルウェアのワークマン、成長鈍化で株価下落トレンドに!

 作業着やカジュアルウェアなど低価格路線で業績を拡大しているワークマン。全国の店舗数は900店舗を突破し、2021年6月末時点で916店舗(2021年3月末比+10店舗)。ワークマン592店舗、ワークマンプラス318店舗、ワークマン女子6店舗となっている。これまで前年同期比+20%くらいで成長してきたものの、直近では+15.1%まで下落。株価は年初来安値となった。ワークマンの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年9月3日時点)

  • 株価:6,790円(10年来高値:10,570円)
  • 時価総額:5,557億円
  • 予想PER:30.5倍
  • PBR:6.19倍
  • 予想配当利回り:0.94%
  • 自己資本比率:82.2%
  • 会計基準:日本基準

■ワークマンの業績は?

 ワークマンの2022年3月期の第一四半期の売上高は295億円(前年同期比+15.1%増)、営業利益71.5億円(前年同期比+16.0%増)の増収増益となった。ワークマンの営業総利益率は+40.7%(前年同期は+40.5%)、営業利益率は+24.2%(前年同期は+24.0%)と堅調だ。

 ワークマンはフランチャイズチェーン(フランチャイズ比率95.3%)を展開しているため、直営店売上に加算して、加盟店からのロイヤリティや商材の販売利益などが売上に加算される。ワークマンのチェーン店全体の売上高は前年同期比+9.4%であるものの、既存店(同じ売上店舗数)で見ると+2.2%の成長にとどまる。これまで高い成長を見せ来てたものの、ここにきて成長率の鈍化が数値として表れるようになった。

 なお、2021年1Qの既存店売上高は前年同期比+22.3%、2021年2Qは+14.7%、2021年3Qは+12.4%、2021年4Qは+7.1%、2022年1Qは+2.2%と大きく落ちている。2020年3月期は前年同期比+25%を超える成長だったため、成長率の鈍化が数値にしっかり表れている。

■ワークマンの売れ筋商品は?

 ワークマンは作業着やアウトドアウエアが売上高を引っ張っているものの、いま最も伸び率が高いのはレディースやユニフォーム(白衣やオフィスユニフォーム)だ。前年同期比+40%を超える成長となっている。

 ワークマンは単なる小売りではなく、プライベートブランドにも力を入れている。2022年QのPB商品売上高は240億円で前年同期比+17.9%増となっている。

■ワークマンの株価の行方は?

 ワークマンの時価総額は約5,500億円。株価指標的には予想PER30倍のため、それほど割高感はない。ただし、既存店売上高はほぼ横ばいとなっており、これからどこまで新規出店できるかが勝負になりそうだ。

 ワークマンのビジネスモデルはフランチャイズオーナーで、それほど在庫を持たず、フランチャイズからのロイヤリティや卸売りのビジネスとなっている。通常のアパレルメーカーや小売と異なり、高い収益性と資金効率の良いビジネスモデルとなっている。当面は下落トレンドは続くと思われるものの、業績が一気に悪くなる可能性は非常に少ない。2020年3月のコロナショック時の株価5,000円くらいまで下落する可能性はあるものの、ここが下値抵抗性になりそうだ。

(画像1)ワークマンの株価推移

以 上

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