UI/UX調査のプロジェクトカンパニー、DX領域で急成長つづく!

 モニターを活用してアプリやWebのUI/UX(操作性)の改善などDX領域で幅広く課題解決サービスを提供しているプロジェクトカンパニー。FY2022では案件の82%がインバウンド(顧客からの問い合わせ)で案件を獲得している。マーケティングやコンサルティングなど目標設計から課題解決まで顧客と並走するスタイルで実績を出している。今後の業績と株価の行方は?

■基本情報(2023年5月2日時点)

  • 株価:4,155円(10年来高値:7,790円)
  • 時価総額:239億円
  • 予想PER:28.5倍
  • PBR:8.6倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:65.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,154人(2022年12月31日時点)

■プロジェクトカンパニーの業績は?

 プロジェクトカンパニーの2022年12月期の売上高は43.5億円(前年比+103%増)、営業利益9.6億円(前年比+88%増)の増収増益。プロジェクトカンパニーの売上総利益率は+42.3%(前年は+47.1%)、営業利益率は+22.0%(前年は+23.9%)と高い水準となっている。

 プロジェクトカンパニーの売上総利益は前年10.1億円→18.4億円と+8.3億円の増加、販管費は前年5.0億円→8.8億円と+3.8億円の増加となり、差し引きで営業利益は+4.5億円(前年5.1億円→9.6億円)の増加となった。

■プロジェクトカンパニーの事業内容は?

 プロジェクトカンパニーは従業員数167名のコンサルティングサービスを提供する会社。企業買収をしており、従業員は前年比+103名と大きく増えている。提供しているメインのサービスはコンサルティングサービスで、新規事業開発など事業戦略の立案などを構想、企画、システム開発、リリースなどをサポートしている。

 また、マーケティングサービスとして目標KPIの設定、課題や競合の調査なども実施。アプリケーションやWebの利便性改善のため、モニターを活用してテストなどを繰り返して改善を実施している。

 最近はDX×HRとして、採用や人事評価・労務のバックアップサービスを実施している。つまり、コンサルという領域で幅広くサービスを提供している勢いのある企業だ。

■プロジェクトカンパニーの費用構造は?

 プロジェクトカンパニーの営業費用(売上原価と販管費)の内訳をみると、外注業者をかなり積極的に活用している。全体の約43%を外注経費となっており、自社で解決できない分野を専門業者を活用することでカバーしている。

■事業譲受で成長!

 プロジェクトカンパニーはM&A(事業譲受)で成長を加速させている。2018年6月にUI/UX改善のサービス「UIscope(ユーアイ・スコープ)」を提供している事業を買収、ユーザの操作を録画することで、顧客に改善のサービスを提供している。2022年10月にcuatro pistasの事業譲受し、システム開発、運用、保守におけるエンジニア派遣を提供している。

 プロジェクトカンパニーの業績を細かく見ると、オーガニック(自然)の成長はあるものの、やはり事業譲受による規模拡大の影響が大きいことがわかる。現在のプロジェクトカンパニーのクライアント企業数は133社と増加傾向がつづく。

■FY2023の業績予想は?

 プロジェクトカンパニーのFY2023の業績予想は売上高74.7億円(前年比+71.6%増)、売上総利益31.1億円(前年比+60.3%増)、営業利益12.7億円(前年比+32.5%増)、営業利益率+17.0%(前年は+22.0%)を計画している。

 なお、2022年度に新卒採用を42名しており、従業員数100~160名の企業規模では、きわめて新卒の比率が高い企業。

 プロジェクトカンパニーで面白いのは、自社社員だけに頼らず、共同参画パートナーという外部人材を積極的に活用している点だ。自社では若い人材が多いため、経験豊富な外部人材やフリーランスを活用することで経験不足を補う仕組みを構築している。

■プロジェクトカンパニーの財務状況は?

 プロジェクトカンパニーの2022年12月末の財務諸表をみると、現預金は22.2億円、のれん5.7億円、敷金6.4億円となっている。有利子負債は約6.5億円あるものの、十分な現預金があるため財務は健全だ。

 プロジェクトカンパニーは2021年9月に東証マザーズに上場。上場時に約11億円を資金調達している。初値の時価総額は188億円で、現在は初値を上回る株価を維持している。

 プロジェクトカンパニーのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+7.8億円、投資CFは△12.2億円と敷金の支出△5.6億円とM&A関連で△6.0億円の支出となっている。財務CFは+4.1億円と長期借入金+4.9億円の新規借り入れの影響が大きい。結果、現預金はほぼ増減ゼロとなっている。

■プロジェクトカンパニーの株価推移は?

 プロジェクトカンパニーの時価総額は約240億円。成長性が大きく、いまは株価が下がる理由はそれほどない。まだ、株主数が少なく、需給としては買われる方向に進みそうだ。そもそも、上場時に高い評価がついていたわけではないため、業績予想を確実に達成していくのであれば、まだまだ上昇余地はある会社だ。

(画像1)プロジェクトカンパニーの株価推移

以 上

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