中古品の買取専門店の「なんぼや」などを展開し、販売専門店の「ALLU」やオークションで販売するサーキュラーエコノミーを構築しているバリュエンスホールディングス(以下、バリュエンス)。中古品販売の分野ではもっとも勢いのある企業の1つ。海外や自動車など新しい分野にも展開しており、今後のさらなる成長が期待できる。
■基本情報(2023年11月2日時点)
- 株価:1,575円(10年来高値:5,620円)
- 時価総額:211億円
- 予想PER:12.7倍
- PBR:2.4倍
- 予想配当利回り:2.22%
- 自己資本比率:30.7%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,941人(2022年8月31日時点)
■バリュエンスの業績は?
バリュエンスの2023年8月期の売上高は761億円(前年比+20.1%増)、営業利益21.8億円(前年比+15.6%増)の増収増益。バリュエンスの売上総利益率は26.3%(前年は+25.7%)、営業利益率は+2.9%(前年は+3.0%)とそれほど高くない。利益率が改善しているのはよいものの、利益構造として営業利益率が+10%を超えることは難しい。
バリュエンスの売上総利益は前年の163億円→200億円と+37億円の増加、販管費は前年の144億円→178億円と+34億円の増加となり、営業利益は前年の19億円→22億円と+3億円の増加となった。
■バリュエンスの事業内容は?
バリュエンスはブランド品、時計、骨とう品などの中古品の買取と販売をおこなっている。10年以上の前のブランド中古品の販売店のイメージだと、買取と販売が同じ店舗が多かったものの、最近では買取と販売を完全にわけるケースが多い。
バリュエンスは「なんぼや」「BRAND CONCIER」「八光堂」などの買取専門店を展開し、「ALLU」などの販売専門店で販売している。また、「STAR BUYERS AUCTION」などのオークションも展開している。バリュエンスの店舗数は173店舗(海外:38店舗)、1年前は164店舗(海外:34店舗)と確実に拡大している。従業員数は1,041名と1年前の896名が大きく増加。
■バリュエンスの財務状況は?
バリュエンスの2023年8月31日時点の財務諸表をみると、現預金は83億円、商品76億円、有形固定資産は38億円、差入保証金15億円となっている。負債は、有利子負債150億円と大きい。利益はでているものの、今後、借入金利が上昇していくと利益が圧迫される可能性がある点が気になる。現在の支払利息は年間78百万円であるものの、金利上昇で大きく費用負担が増える可能性がある。
バリュエンスのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+13.7億円、投資CFは有形固定資産の取得などあり△25億円、財務CFは長期借入金増などで+17.2億円となり、現預金は前年の78億円→83億円と+5億円増となっている。
■バリュエンスの株価推移は?
バリュエンスの時価総額は約210億円。株価指標的には予想PERは12.7倍と低く、予想配当利回りも2.2%と妥当な水準。株価に割高感はない。バリュエンスの2024年8月期の業績予想は、売上高901億円(前年比+18.4%増)、営業利益28.5億円(前年比+30.5%増)、1株当たりの当期純利益123.74円。
予想PERを15~20倍で計算すると、予想株価は1,850円~2,460円となる。現在の株価は1,580円くらいのため、上昇余地はある。しかしながら、インフレで仕入れ価格も高くなっており、在庫に含み損を抱えていないか気になるところ。有利子負債も多く、積極的に買いたい株価ではない。利益面では買取専門店のバイセルのほうが利益率が高く、将来的な期待がもてる。
出張買取を活用したリユース事業のBuySell Technologies(バイセル)、M&Aで成長!(2022年10月1日投稿)
以 上