スキルシェアのマッチングサービス「coconala」や「coconala法律相談」を展開しているココナラ。2024年5月にITフリーランスのエージェント事業を展開しているアン・コンサルティング会社(現:ココナラテック)を買収。年間売上高は+40億円ほど積上げされた。今後の業績・株価はどうなるのか?
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■基本情報(2025年1月10日時点)
- 株価:332円(10年来高値:2,899円)
- 時価総額:80億円
- 予想PER:61.0倍
- PBR:3.6倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:26.7%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:14,712人(2024年8月31日時点)
- 事業価値:57億円
■ココナラの業績は?
ココナラの2024年8月期の売上高は65.9億円(前年比+40.8%増)、営業利益3.0億円(前年同期は△1.3億円の赤字)と増収黒字転換となった。ココナラの売上総利益率は+77.3%(前年は+93.1%)とアン・コンサルティング買収の影響で大きく減少している。アン・コンサルティング該当するエージェント事業の売上総利益率は+17%と非常に低い。
ココナラの売上総利益は前年の45.6億円→50.9億円と+5.3億円の増加、販管費は前年の46.8億円→47.9億円と+1.1億円の増加にとどまり、営業利益は+4.2億円の改善となり、営業利益は+3.0億円の黒字となった。
■ココナラの事業状況は?
ココナラはマーケットプレイス、法律相談、エージェントの3つの事業セグメントに分かれており、マーケットプレイスが事業の柱。このマーケットプレイスの成長率が前年比+10%まで下がっており、成長感を出すためにアン・コンサルティングを買収したと思われる。
しかしながら、アン・コンサルティングの売上総利益の貢献は低く、売上総利益率は+17%と非常に低い。2025年度は1年間、アン・コンサルティングの業績が連結されるため、売上総利益率さらに悪化すると思われる。
■成長鈍化のマーケットプレイス
マーケットプレイスの購入者ユニークユーザ数は前年同期比+1%増、1人あたりの購入額は+8%増と人数が増えていない。2023年度からみると、購入人数はほぼ横ばいになっている。そのため、2025年8月期の業績見通しは売上高95億円(前年比+44.2%増)と大きく増えるものの、EBITDAは前年比+1.2%の伸びにとどまり、利益成長が望めない計画になっている。
■ココナラの株価推移は?
ココナラの株価は上場来高値から約9分の1くらいまで下落。成長ストーリーが見えず、事業規模の頭打ちが見えてきたというのが正直なところ。利益剰余金は△14.3億円のマイナスで、結局、利益を稼ぐ前に成長が鈍化してしまったという結果。
キャッシュフロー計算書をみると、アン・コンサルティングの買収に約9億円くらいは使っており、メイン事業の成長ストーリーが見えないことへの焦りが見える。
以 上