堅調に成長するココナラ、スキルシェアが伸びるか?競合はYouTube?

 スキルシェアのマッチングサービス「coconala」や「coconala法律相談」を展開しているココナラ。成長率は前年比+30%近く伸びており期待感は高いものの、売上高の規模はまだ小さい。業務委託、コンサルなど事業領域の拡大を続けている。内容をみると、ココナラ法律相談が前年比+24.2%と伸びているのと、エージェント業務が新規に発生。スキルマーケットはオーガニックでは+7.5%の成長にとどまっている。

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■基本情報(2024年4月26日時点)

  • 株価:384円(10年来高値:2,899円)
  • 時価総額:92億円
  • 予想PER:ー
  • PBR:4.37倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:35.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:11,824人(2023年8月31日時点)
  • 事業価値:71億円

■ココナラの業績は?

 ココナラの2024年8月期の第二四半期の売上高は27.8億円(前年比+26.6%増)、営業利益1.9億円(前年は△1.5億円の赤字)と増収黒字転換となった。ココナラの売上総利益率は+85.0%(前年は+95.3%)、営業利益率は+6.6%。

 ココナラの売上総利益は前年の20.9億円→23.6億円と+2.7億円の増加、販管費は前年の22.4億円→21.8億円と△0.6億円の減少となり、差し引きで営業利益は+2.1億円の利益増となった。しかしながら、粗利率が10ポイントほど落ちており、利益構造が変化していることに注意が必要だ。

■ココナラの事業状況は?

 ココナラはポートエンジアリング(エージェント事業という)を2.5億円で買収し、売上高は年間で約7億円くらい積み増ししている。このポートエンジアリングの増加がなかったら成長率は大きく鈍化していることに注意が必要だ。また、エージェント事業は粗利率が20%もないため、ココナラの利益率を押し下げる要因になっている。

 ココナラのKPIをみると、購入ユニークユーザー数は頭打ちで15.6万人の横ばいになっている。いっぽう、1人あたりの購入額は2.4万円と前年比+7%増となっている。ココナラ法律相談は前年比+24%と堅調に伸びている。

■「みずほココナラ」の立上げ?

 2024年1月、みずほ銀行と合弁で「みずほココナラ」を設立。みずほ銀行がココナラに送客するというサービスであるものの、創業支援、アシスト人材の紹介など、人材紹介やコンサルティング会社との違いや差別化、そして信用をどうするのか気になるところ。

■ココナラの株価推移は?

 ココナラの時価総額は約90億円。年間売上高は約60億円でまだ利益の出る水準ではない。株価は右肩さがりで低迷をつづけている。正直、スキルシェアというビジネスモデルのままでは売上高100億円はかなり難しいのではないだろうか。どこかでBtoBにビジネスを広げていかないと、事業が伸びていく気がしない。

以 上

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