固定資産管理システムのプロシップ(3763)、安定して稼ぐ仕組み!

 会計パッケージソフト、特に固定資産管理に特化するプロシップ。年間売上高500億円以上の上場企業をメインターゲットにビジネスを展開していて、上場企業の66社が同社の「ProPlus」を導入済み。一般的な会計パッケージソフトも固定資産管理システムを含んでいるものの、固定資産に特化して市場を開拓しているプロシップ。グローバルな資産管理が強みがあり、会計基準の変更により新たなニーズが出てくる可能性も高い。今後の業績はどうなるのか?

■基本情報(2020年6月26日時点)

  • 株価:1,355円
  • 時価総額:206億円
  • 予想PER:17.7倍
  • PBR:2.23倍
  • 予想配当利回り:2.58%
  • 自己資本比率:82.2%

■プロシップの事業内容と業績は?

 プロシップは固定資産に強みをもつ会計パッケージソフトを展開する会社。特に海外子会社を含めて全世界ベースで資産管理できる点が強みだ。多言語、多通貨に対応し、連結ベースで資産管理をすることができる。同社の主力製品である「ProPlusシリーズ」は2020年4月末時点で4,823社が導入済み。

 プロシップの2020年3月期の売上高は50.5億円(前年比+13.7%)、営業利益14.7億円(前年比△4.2%)と増収減益。減益になった大きな要因は、退職金制度の改定による費用増1.9億円。この費用増は一過性のものと説明されていて、この特殊費用をのぞくと増益となる。ここ数年、プロシップは毎年10%を超える成長をつづけている。売上高の内訳は、パッケージ(6割)、保守(3割)、その他(1割)となっている。

■プロシップはサブスク(継続課金)ビジネス?

 プロシップの事業モデルで見えないのは販売方法だ。パッケージソフトの場合、サブスク型の継続課金タイプと販売タイプの2通りにわかれる。プロシップの決算説明資料をみるかぎり、売り切り型の販売タイプでパッケージソフトを販売していると思われる。決算短信の受注実績には、2020年3月期のパッケージソフトの受注高は前年比△17.2%の30.1億円、受注残高は18.6億円となっている。サブスク型であれば、前年割れの受注高になることは少ないため、プロシップは販売タイプの契約をしていると思われる。そもそも、サブスク型のビジネスモデルであれば受注高を開示する必要はない。

 パッケージソフト会社の場合、継続的に収益を見込めるビジネスモデルか、一度きりの販売で終わってしまうビジネスモデルかは重要な投資判断のポイント。プロシップは保守(売上高の約3割)ビジネスがあるものの、パッケージソフトの販売動向により売上高が大きく変動する可能性がある点には注意が必要だ。

■安定した財務体質と今後の展望!

 プロシップの財務状況は安心だ。2020年3月末時点の自己資本比率は80%を超えており、資金繰りの心配はまったくない。連結ベースの従業員数が170名程度と少ない人員でビジネスを回している点も評価できる。しかしながら、将来に期待できるような新しい領域へのチャレンジはいまのところ見当たらない。あり余った資金を新しい分野に投資しはじめたら、株価には期待が先行する。新しいビジネスへのチャレンジを期待したい。

■プロシップの株価推移は?

 プロシップの株価は右肩あがりがつづいている。時価総額は200億円ほどで、過熱感はまったく感じられない。プロシップの営業利益率は29%ほど。もし、サブスク型のビジネスモデルに展開できた場合、ここから数倍の株価になってもおかしくない。パッケージソフトは、販売するか、継続課金するかで大きな違いがある。顧客をしっかり掴み、パッケージソフトを常により良いモノに改善していくには継続課金モデルのほうがよい。株価という点でも将来へのプロシップへの期待度がことなる。

以 上

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