ネットセキュリティ専業のイー・ガーディアン。インターネットの安心・安全を守る総合ネットセキュリティ企業。キャッシュレス決済や動画投稿など新しい領域にも対応し、時代の変化とともに事業領域の拡大が見込まれる事業をおこなっている。業績は堅調で、売上高は前年比2ケタの成長がつづいている。このまま成長はつづいていくのか?
■基本情報(2020年6月26日時点)
- 株価:2,855円
- 時価総額:297億円
- 予想PER:34.0倍
- PBR:7.66倍
- 予想配当利回り:0.31倍
- 自己資本比率:75.0%
■イー・ガーディアンの事業内容と業績は?
イー・ガーディアンは1998年創業の老舗のネットセキュリティ企業。2010年に株式上場。イー・ガーディアンは、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセス、その他の4つの業務にわけている。ソーシャルサポートは、SNSやブログなどのWEBサービスの監視や運用サポートなどのサービス提供をしている。ゲームサポートは、デバッグと言われるゲームソフトのバグ(不具合)のチェックなど。アド・プロセスは、広告審査業務から広告管理まで対応している。売上高の比率は、ソーシャルサポート4割、ゲームサポート3割、アド・プロセスとその他で残り3割となっている。
イー・ガーディアンの2020年9月期の第二四半期の売上高は37.4億円(前年同期比+16.2%)、営業利益は6.3億円(前年同期比+9.6%)と増収増益を維持している。売上高の成長は2ケタを維持し、営業利益率は15%を超えており、株価上昇に必要な成長性と収益性の要件にはマッチする。これからはYouTube(ユーチューブ)などの動画投稿サイトやソーシャルメディアが増えつづけることが予想され、ネットセキュリティ会社が活躍する場面はますます増えていくはずだ。
■イー・ガーディアンの強みと弱みは?
イー・ガーディアンが活躍する動画市場は年平均18.4%で成長し、2023年には市場規模が5,000億円を超えると言われている。そのような状況下、イー・ガーディアンは「人による判別」だけでなく、画像認識・AI音声認識システムなどのノウハウによりAIによる動画監視などを開発している。また、多言語にも対応していることが大きな強みとなっている。
イー・ガーディアンで心配される点は、連結ベースでの従業員数が1,500名を超えている点。ただし、ほとんどは臨時従業員のため、正社員は300名ほど。AIによる監視など省力化が進むものの、引き続き、人のチカラによる監視が必要だ。労働集約型の事業であれば、臨時従業員の正社員化の社会の風潮や労務費の高騰などのリスクには注意が必要だ。
■イー・ガーディアンの株価推移は?
イー・ガーディアンは2018年4月に上場来最高値の4,825円をつけた後、株価は下落トレンドがつづいていた。2020年2月~3月のコロナショックで大きく株価は下落した後、現在まで株価の反発がつづいている。2020年4月~6月までは多くの銘柄の株価は上場しており、イー・ガーディアンが本当に下落トレンドから脱したか判断はできない。もう少し様子見が必要だ。しかし、堅調に成長し、高い収益力をもっているため、もう一度、上昇トレンドに入るはず。株価の動きに引き続き注意が必要だ。
以 上